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2019.10.29 Tuesday

ミティの完成見本ができるまで

この度発売した「ミティ」は基本的に組み立てキットとなっておりますので、お買い上げいただいたお客様自身での塗装・組み立てが必要です(完成品の受注も受け付けております)。

ぼくのキットはデビュー作は除いて、なるべく塗装・組み立てがしやすいように考慮して作ってあり、作を重ねるごとにいろいろとアイデアを詰め込んできたので、プラモデルの塗装・組み立て経験があれば比較的簡単に完成させられるようになっております。

というわけで、新作ミティの完成見本が出来上がるまでの工程をご紹介。

※必ずしも「こうしなければいけない」というわけではありません。

 

全パーツ↓

かなりシンプルな作りなのでパーツ数は17点と、過去作に比べて少ない方かと思います。

今回から複製屋さんが変わりましたので、過去作と比べて若干透明感のある、硬度の高い樹脂になりました。

そして衣装パーツは白樹脂なので、明るい色の塗装もかなり楽になりました。

ちなみに、写真を見てもわかるように湯口(大きなバリ)が無いパーツもいくつかあります(後頭部パーツと首から下の全パーツ)。

これは複製屋さん曰く、かなり特殊な方法で注型しているそうですが、どうやっているのか全く見当がつかない、不思議でハイクオリティなパーツです。

 

今回使用した道具類↓

<組み立て用>

★ニッパー(プラ用〜金属用。なるべく小さいものが向いています)

★ラジオペンチ(1mm金属棒の軸打ちの際に使用)

★金ヤスリ(先の尖った半丸形状の小さいもの。他にもいろいろな大きさ・タイプを揃えておくと便利)

★紙ヤスリ(スーパーアシレックスという商品を使用。耐久性が高く、粒子が剥がれず、目詰まりしにくく超オススメ。ガレキには360番〜1200番もあれば十分ですが、鏡面仕上げやメタリックな塗装をする場合はスーパーバフレックスくらいの細かい番手も使った方が良い場合もあります)

★ナイフ(デザインナイフやメス等の細かい作業ができるもの。ヤスリが入らない箇所に使用)

★ペン型ヤスリ(ヤスリの入らない箇所の削りに使用)

★ドリルビット(1mm以下のものから3mm)

★ピンバイス(1mm以下の細いドリル用)

★電動ドリル

★電動リューター(埋まってしまったダボ穴の復元に使用。ドリルでも代用できますがリューターの方が繊細で簡単)

★金属棒(3mm径アルミ棒、1mmステンレス線)

★瞬間接着剤

<塗装用>

★エアブラシ一式(ハンドピース、コンプレッサー、タンク、フィルター類)

★面相筆(極力細くて短いもの)

★2.5mmポンチ(革製品の穴あけに使うやつ。瞳の塗装時に使用)

★マスキングテープ(瞳の塗装に使用)

★塗料(ガイアノーツやMr.カラーの油性アクリルと、うすめ液とツールウォッシュ)

★特殊塗料(2液性ウレタンクリアー、専用うすめ液)

★ウレタン用エアブラシ(吸い上げ式)

★カルナバワックス(ウレタンクリアー硬化後に使用。研磨剤の入ってない純粋なワックス)

 

まずは全パーツの「バリ取り」と「パーティングライン消し」処理↓

パーティングラインはこのパーツで言うと耳の縁から下へ伸びるラインで(ちょっと見にくいですが)複製品にできる型の合わせ目の線で、バリはパーツから飛び出ている必要のない突起(樹脂を型に流し込むための穴の跡)やパーティングラインに沿ってできる薄い樹脂の膜のようなもの。

これらを除去するにはニッパーと金ヤスリと紙ヤスリの類の中目〜細めの番手が必要になります。

とはいえ、このキットはバリも少なく、パーティングラインもかなり段差が少なく、ヤスリがけもかなりあっさりと終わってしまいます(個体差・パーツによってはけっこうしぶとく残る場合もあります)。

金ヤスリをかける際は、パーツ形状を変形させないよう一気に力を入れずに、曲面に合わせて研磨します。

基本的に半丸ヤスリの丸い面を使用しますが、斜めに走らすことで広範囲にまんべんなくヤスリがけできます。

ガレージキットにはつきものの気泡は、このキットではほとんどお目にかかることはありません(作例では衣装パーツに小さいのが1個あったくらい)。

あと、樹脂表面に離型剤が残っている場合もあるので、これをレジンウォッシュ等で洗浄しておく必要があります(塗料の食いつきを向上させます)。

作例では顔と髪以外のパーツを1200番のアシレックスでサクッと研磨して、レジンウォッシュは使用していません。

 

全パーツのパーティングライン消しが終わったら今度は「軸打ち」です↓

軸打ちとは、パーツ間の接続に強度を持たせて、簡単には外れないようにするための作業です。

このキットの場合は軸打ちせずに接着やはめ込みだけでも形にはなりますが、接着剤の経年劣化で起きる思わぬ脱落等での破損を防ぐためにもやっておいた方が良いでしょう。

作例では3mmアルミ棒(柔らかいやつ)を使っていますが、この辺はお好みで色々な金属線・棒・パイプ等を使用します。

穴あけは電動ドリルがあると大変楽です。

この写真のように間にパーツが挟まる場合は、中間パーツをどちらか一方のパーツにあてがったまま穴を貫通させてから、もう一方のパーツに穴の貫通した中間パーツをあてがって、その穴をガイド役にして穴あけすると簡単にズレのない穴ができます。

※パーツを貫通させる場合は、反対側の穴ができる位置をよ〜く考えて狙って穴あけしないと、完成時に見える表面に貫通させてしまう大失敗をしてしまうので注意。

 

中間パーツの無い接続面には小さい目印が付いているので、それを元に穴あけします↓

1:位置を正確にするために極力細いドリルで穴あけ(このドリルはたしか0.8mmか1mmだったかな?)。

2:反対側の目印は凸形状になっています。

3:凸目印はドリルしにくいので一旦軽くヤスリで凸目印を削って頭を平らにしてから穴あけ。

4:細い穴をガイドにして徐々に太いドリルで穴あけしていって、3mm穴まで開けたらアルミ棒を接着。

今回この完成見本に使用した接着剤は瞬間接着剤ですが、見える部分にはみ出すとかなり汚くなるので要注意です。

ちなみにアルミ棒は差し込んでから適度な長さにカットして、脱着しやすいように先端を丸めてあります。

腕の接続ができました↓

腕は軸打ちしなくてもけっこう保持力があり、軸打ちするとそれだけでガッチリはまるので、接着無しでも平気なレベルです。

 

頭部のパーツ群は3mmアルミ棒だと穴あけ貫通大失敗の恐れもあるので、細い金属棒(1mmステンレス線)を使用↓

このカチューシャベースは上部に貫通させて、前髪と後頭部パーツを接続するようにしました。

前髪はかなり薄いので、穴あけは貫通させないように慎重に。

 

足の付根はこのように左右で一直線に貫通させるとダボの角度とも合います↓

なぜ面の垂直方向にダボを作らなかったかというと、面に合わせてドリルを貫通させると、衣装表面に穴があいてしまう失敗の確率が高くなりそうだったため。

パーツの合いが悪い場合(ガタが出るのは合っていない証拠)は、ドライヤーで太ももパーツの接続面を加熱(機種によって変わるかとは思いますが、吹出口近くで20〜30秒くらいでしょうか。やりすぎてパーツが溶けないように注意)して強く押し付けて冷やすと正常な位置で組めるようになります。

正常な位置↑

太ももパーツ上部がきれいに収まっていても、股間近辺や尻のつなぎ目に隙間があったりする場合は合っていません。

こういったパーツは、恐らく複製時の脱型で歪んでしまったものと思われるので、全て歪んでいるとは限りません。

まずはバリ取りだけで正常にハマるか確かめて、合いが悪い場合は加熱法で修正してください。

 

軸打ち完了↓

ちなみに顔パーツと後頭部パーツに挟まれる形になる後ろ髪パーツと、眼球パーツ、リボンは軸打ちしていません。

眼球パーツは塗装後の目線決めの際に、微細な調整ができなくなるので。

リボンは穴あけが難しく、トライしたんですが穴がズレてしまい「どうせ接着するし、強度も必要ない部分だからいいか」と諦めました(笑)。

リボンはバリ取りをしっかりしておけばけっこう保持力高いです。

 

台座との接続↓

台座は別売りですので、お好みでいろいろな台座を使用してください。

作例では透明アクリル板を使用しています。

ブーツ側の穴は形状に合わせて斜めに開けているので、台座にアルミ棒を接着してから差し込みながら曲げて角度調整しています。

ちなみに台座無しだと場合によっては自立することもできますが、倒れて破損する可能性もあるので台座は必須とお考えください。

 

ここから塗装工程です。

まずは人形の命でもある顔から↓

ホントは汚れ防止のため、頬や唇の赤みからやるはずだったんですが、久々の完成品制作でど忘れしてしまい、アイラインからやってます(笑)。

1:適度に薄めた黒(ガイアノーツEX-02 EXブラック)で上まぶたの縁と下まぶたにアイラインやまつげ等を入れます。

2:薄めた黒でまゆげの基本的なラインを描きます。

3:うすめ液でまゆげをぼかして形状調整。

4:薄めたクリアーレッド(ガイアノーツ041 クリアーレッド)で頬にほんのりとした赤み、唇も重ね塗りで着色(本来はこの工程が最初)。

この工程は全て面相筆で行います。

頬や唇の赤みもうすめ液でぼかすのですが、この樹脂はこれまでの樹脂よりも耐溶剤性が多少低いようなので、染料系塗料(クリアーレッドは染料系)の染まりが早いです。

なので、最初から濃いめの塗料を使うといきなり真っ赤になって修正が困難になります。

この唇も濃かったようなので、ちょっと危なっかしいやり方ですがツールウォッシュで拭き取って再塗装してます↓

危なっかしいというのは、この樹脂の耐溶剤性が低いのでツールウォッシュのような強力な溶剤だと表面がベタついてしまい、汚れてしまう可能性が高いからです。

でもまぁ細心の注意を払えばそれほど困難なことではありません。

1:ツールウォッシュで唇の赤みを落とした状態。

キレイなティッシュを尖らせて拭き取るのですが、ティッシュのケバケバがつかないようにサラッと終わらせます。

あまりしつこくゴシゴシやるとベタついてきてティッシュのケバケバがくっついて悲惨なことになります。

パーツ全体をツールウォッシュでドブ漬け洗いするのも指紋が付いたりする恐れがあるのでご注意ください。

2:もっと薄いクリアーレッドで再塗装。

 

眼球パーツに瞳を入れます↓

かなりわかりにくいですが、このパーツにもパーティングラインが入っているので、それを避けて面積の広い面を表にします(パーティングラインは眼球部分で斜めになって片面の面積を増やしています。目線の自由度を高めるためにこのように指定したんです…些細〜)。

作例では2.5mmポンチで穴あけしたマスキングテープを貼って濃い茶色(Mr.カラー29 艦底色)を筆で塗り、茶色が乾いたら黒で瞳孔を描き入れてます。

ちなみに瞳孔は0.8mmドリルの尻に塗料を付けて、チョンと打つように塗料を乗せています。

瞳の縁の塗装がガタガタしたりはみ出したりした場合は、ナイフやうすめ液で修正します。

 

髪の塗装↓

1:適度に薄めた黒で髪の流れを意識したラインを入れていきます。

重ね塗りでムラが出ますが、そのムラを上手く利用するとこんな感じになります。

顔パーツのもみあげやサイドの髪も忘れずに。

ちなみに今回のキットから髪パーツにはあらかじめヘアライン加工を施してあるので、過去作のように粗い紙ヤスリでヘアラインを入れる工程が大幅にカットされました。

とはいえ、パーティングライン消し処理で消えてしまうヘアラインもあるので、その箇所だけはヘアラインを入れ直す必要があります。

2:黒をエアブラシで髪部分に薄く吹きます。

毛先や生え際は意図的に薄くしています。

全体的に先程描いた髪のラインが消えない程度の濃さにします。

顔パーツはマスキングして顔に黒がかからないようにして、マスキングラインが残ってしまった場合は細かい紙ヤスリ(アシレックス1200番)を尖らせた先端で擦ってぼかします。

 

このままだと肌色がかなり色白すぎるので、クリアー肌色で色味を足します↓

クリアー肌色はクリアーオレンジをベースに、クリアーレッド、クリアーブルー、クリアーイエロー(全て染料系)で調色したものです。

目安としてはティッシュに付けて干し柿のような色になったらOK。

これをエアブラシで薄っすら吹きます。

顔のような凹凸がある箇所はいろいろな角度から吹かないと濃淡ムラができやすいので注意。

しかしわずかな濃淡ムラはリアリティがアップする気もするので、それほどシビアにムラに注意する必要は無いと思います。

膝はかなり意図的に濃くしています。

この塗料を応用すると日焼け跡も再現できます。

 

ツヤの調整↓

つや消しクリアー(Mr.カラー182 スーパークリアーつや消し)をエアブラシで全体に吹きます。

鼻先や肩の頂点、太もものハリのある部分、といった箇所はわずかにツヤを残しています。

髪パーツは全体的にある程度艶が残るようにしています↓

ヘアラインが入らなかった奥まった部分等は、この工程でつや消しにするとわからなくなります。

 

肌パーツの最後は唇のツヤ出し↓

クリアー(Mr.カラーGX100 スーパークリアーIII)を面相筆で塗ります。

同系統の塗料なのであまりしつこくペタペタやってると赤みが溶けてしまうので最初の1発目はあっさりと終わらせ、重ね塗りでツヤを調整します。

作例では2度塗り(だったかな?)くらいであまり強いツヤは出していません(グロス無しの唇を意識)。

 

次に衣装の塗装↓

塗装前の準備として、各接合面は組み立て時の接着トラブル(接着剤が固まらないとか、接着が簡単に剥がれるとか)を防ぐ意味でマスキングしておきます(レジンの地肌と瞬着は相性がいいのか、かなり強力に接着されますが、塗料が挟まるととたんに接着不良が起きやすくなります)。

あと、持ち手としての意味もありますが、後ほどのウレタン塗装での放置も考慮して、写真のようにフック状の棒を差し込んでおくのも大切です(棒状にして、ダンボールの束の断面のようなハニカム構造のスタンドに挿すやり方もあります)。

樹脂の色が白なので、白で仕上げる場合は塗装しなくても見栄えはいいんですが、紫外線による経年変化(黄変等)で色味が変わってしまう恐れもあるので、白でもちゃんと塗装しといた方が良いかと思います(この樹脂は初めてなので長年の調査を経ておらず、変色するかどうかは未知数)。

あと、樹脂特有の透明度もけっこう高いので、リアリティといった点からも衣装はある程度不透明にしておいた方が良いかと。

 

そして特殊塗料である2液性ウレタンクリアーでツヤ出し塗装↓

2液性ウレタン塗料は、通常の乾燥に加えて化学変化で硬化させるので、通常の塗料よりも厚く強靭な塗膜を形成します。

したがって重ね塗りしなくても濡れたような強力なツヤを出すこともできます。

ちなみに使用した塗料はマルチトップクリヤーQR

これもエアブラシで吹くんですが、通常のニードル式のエアブラシだと塗装後の洗浄で落とせなかった塗料のわずかな残りでもガッチリ硬化・固着させてしまい、使い物にならなくなってしまう可能性が高いので、安い吸い上げ式エアブラシを使用します。

これなら万が一ノズルが詰まっても細い針金等で簡単に直せます(完璧な洗浄も簡単なのでまず詰まらない)。

 

ウレタン塗装が完全硬化(初期硬化は数十分ですが、指紋が残ったりすることもあるので半日〜1日は放置することをオススメします)したらウレタン塗装したパーツにワックスをかけてから組み立てます。

しっかりした軸打ちがしてあれば接着しなくても組めるんですが、やはり事故防止のためにも強度の必要がある部分は接着しておいた方が良いでしょう。

そしてこのキット最大の要とも言える眼球パーツの接着(目線の調整)ですが、これだけはちょっとシビアです。

というのもわずかコンマ数mmズレるだけで全然印象が変わるからです。

失敗例↓

かなりワルな感じになってしまいました。

この場合は上下の角度によるものですが、他にありがちなのは左右の瞳の視線が合ってないというパターン。

より目ならまだ可愛さが出る場合がありますが、離れすぎてたり、左右でガチャ目になっちゃうとあまり可愛くありません(笑)。

なのでどちらか一方を完全に位置決めして接着した後に、もう一方を先に接着した方に合わせるやり方で、いろんな角度・距離からよ〜く観察して違和感の無いように位置決めしましょう。

塗装時の話ですが、眼球パーツの後ろに飛び出ている棒が頭部パーツに接触する位置で瞳を描いておけば、接着剤が目の穴からはみ出すことなく接着できます。

それか練り消しゴム等で眼球パーツを仮止めして、目線が決まったらプラ棒等で眼球パーツの後ろの棒と頭部パーツをつないで接着するというやり方も今思い付きました(笑)。

眼球パーツにもウレタン塗装を施していますが、強靭な塗膜とはいえ、何度も目の裏の窪みに押し付けて位置調整していると傷ついたり剥がれたりすることもあるので要注意です(通常の塗装ならなおさら)。

 

眼球パーツの位置決めで判明したことなんですが、今回の樹脂の透明度の高さによって、肉厚の薄いまぶたに瞳の濃い色がわずかに透けるということがわかりまして、対策としてまぶたの裏に白を塗っておきました↓

あまり厚い塗膜にしてしまうと目の位置が奥まってしまうのであっさり塗りました。

ちなみに左上にある水滴のようなものは目線失敗して剥がした瞬着の残り。

 

改めて目線を決めて完成…と思いきや、な〜んか目周辺が暗い↓

まぁこれも悪くはないんですが、スケールからいうと白目の透明度が高すぎるように思えます。

そこでせっかく決めた眼球パーツをバラして、塗装も剥がして再塗装。

ちなみに眼球パーツだけならエアブラシを使わずに少量のウレタン塗料にドブ漬けして厚い塗膜を形成できます。

ついでに、メイクもちょっと濃いような気がしたので目周辺の塗装もやり直し。

やり直しといっても、すでに髪の毛やクリアー肌色も吹いた後なので全部やり直すのは面倒すぎる、ということでアイラインや下まつげをナイフやペン型ヤスリで削って薄くしました↓

上まぶたのアイラインは全て剥がして、まつげを描き込みました。

下まつげは長さを短く、まつげ根元の余分な黒も削り落としました。

このくらいの加工ならエアブラシで施した塗装との違和感もありません。

 

というわけで、やっと完成〜!

白目も目周辺もいい具合に薄くなってリアリティが増したかと思います。

あとはキレイな背景の前でちゃんとした照明使って撮影してフィニッシュ!

ちなみにキットに同梱されている「制作後記」には「文鳥オリジナル作品としては13作目です」とありますが、これは誤植で正しくは11作目です(等身大シリーズと版権モノとメイver.1.1を除いた結果)。この場を借りて訂正いたします。

 

以上「ミティの完成見本ができるまで」でした。

2019.10.27 Sunday

祝!8年ぶりの新作「ミティ」発売!

やっとインスト類が完成したので、これより正式にミティを発売いたします!

他の写真等の詳細は桜 文鳥公式サイト「トリブレイン」にも掲載しておりますのでご参照ください。

あと、先日からツイッターもはじめました。

宣伝の他に、ブログに載せてないようなネタもアップしていこうかと思います(ここ大きい写真載せられないし)。

上記の完成見本の組み立て工程は後ほどこのブログにアップ予定。

 

前の記事にも書きましたが以下コピペ。

今回の量産品から複製屋さんが変わりました。

成形樹脂は、以前の複製屋さんのものより若干透明感があり、硬度が高い感じです。

耐溶剤性は若干弱くなっているようなので、塗装の際の修正等で強力な溶剤を使う場合はご注意ください(ガイアノーツのツールウォッシュを筆でワサワサすると少しベタついてきます)。

塗料用のうすめ液では簡単には溶けないので、いつも通りに塗装できますが、染料系(クリアーレッド等)は染まりやすく、うすめ液で拭き取っても色が残る場合があります。

唇や頬にほんのりと赤みを入れる際は、はみ出さないように、かなり薄めた塗料で少しづつ染めていく等の注意が必要ですが、逆に考えると簡単に染まるので慣れている場合は楽です。

 

そして、自前量産をしてた頃にやってた2色成形が今回から復活しました↓

これで明るい色で衣装を塗装する際に、白サフ処理を省くことができます。

ただその場合、長期間テストしてないので断言はできませんが、紫外線による黄変の可能性もあるので、サフ処理はやっといて損はないと思います(濃色は除く)。

UVカット塗料を使えばサフ無しでも大丈夫でしょう。

 

そしてこのキット、まず驚いたのは何個かのパーツには湯口が無いんです。

いったいどうやって注型したのか、全く謎です(かなり特殊なやり方をしているらしいです)。

湯口のあるパーツも、見た目に影響の少ない箇所に設定されており、全体のパーティングラインの段差も非常にわずかで、処理がかなり楽です。

 

気になる価格ですが、複製屋さんが変わった事によって単価が若干高くなってしまったので、今までより少し値上げさせていただきまして、15,000円+送料(ヤマト運輸)といたします。

同時に塗装済み完成品も受注製作いたします。

完成品は12万円+送料(ヤマト運輸)となりまして、納期は早くて約1ヶ月、長くて数ヶ月とお考えください。

購入・受注方法はメールにて、

★住所

★氏名

★電話番号

★商品名(キットか完成品かを明記してください)

★数量

※完成品の場合は衣装の色(過去の作例と同じでもいいし、オリジナルでご注文していただいてもかまいませんが、あまり特殊な塗装はできない場合があります)

を明記して送っていただければ、後ほど送料込みの価格と振込先を返信いたします。

 

皆様のご注文お待ちしております。

2019.10.25 Friday

大変お待たせしております

夏のワンフェスで発売するつもりだった新作1/6フィギュアキット「ミティ」ですが、もうすぐ発売できそうです↓

※上記写真は自前複製した試作品です。

現在、量産型キットの完成見本と説明書を製作中。

説明書の図を描いてる最中の様子↓

説明書と見本が完成したら見本の撮影をして、販売を開始したいと思っております。

その後、本ブログにて見本の組み立て工程を掲載しようと思います。

 

ちなみに今回の量産品から複製屋さんが変わりました。

成形樹脂は、以前の複製屋さんのものより若干透明感があり、硬度が高い感じです。

耐溶剤性は若干弱くなっているようなので、塗装の際の修正等で強力な溶剤を使う場合はご注意ください(ガイアノーツのツールウォッシュを筆でワサワサすると少しベタついてきます)。

塗料用のうすめ液では簡単には溶けないので、いつも通りに塗装できますが、染料系(クリアーレッド等)は染まりやすく、うすめ液で拭き取っても色が残る場合があります。

唇や頬にほんのりと赤みを入れる際は、はみ出さないように、かなり薄めた塗料で少しづつ染めていく等の注意が必要ですが、逆に考えると簡単に染まるので慣れている場合は楽です。

 

そして、自前量産をしてた頃にやってた2色成形が今回から復活しました↓

※これが販売する量産品です。

これで明るい色で衣装を塗装する際に、白サフ処理を省くことができます。

ただその場合、長期間テストしてないので断言はできませんが、紫外線による黄変の可能性もあるので、サフ処理はやっといて損はないと思います(濃色は除く)。

UVカット塗料を使えばサフ無しでも大丈夫でしょう。

 

そしてこのキット、まず驚いたのは何個かのパーツには湯口が無いんです。

いったいどうやって注型したのか、全く謎です(かなり特殊なやり方をしているらしいです)。

湯口のあるパーツも、見た目に影響の少ない箇所に設定されており、全体のパーティングラインの段差も非常にわずかで、処理がかなり楽です。

 

気になる価格ですが、複製屋さんが変わった事によって単価が若干高くなってしまったので、今までより少し値上げさせていただきまして、15,000円+送料(ヤマト運輸)といたします。

同時に塗装済み完成品も受注製作いたします。

完成品は12万円+送料(ヤマト運輸)となりまして、納期は早くて約1ヶ月、長くて数ヶ月とお考えください。

購入・受注方法はメールにて、

★住所

★氏名

★電話番号

★商品名(キットか完成品かを明記してください)

★数量

※完成品の場合は衣装の色(過去の作例と同じでもいいし、オリジナルでご注文していただいてもかまいませんが、あまり特殊な塗装はできない場合があります)

を明記して送っていただければ、後ほど送料込みの価格と振込先を返信いたします。

まだ説明書等ができてないので、後ほど正式に発売開始のお知らせを掲載しますが、早めにメールしていただいてもかまいません。

 

皆様のご注文お待ちしております。

2019.08.26 Monday

美少女の美術史展 in 台湾

以前お世話になった「美少女の美術史」展が台湾の北師美術館で開催されています。

北師美術館さんのサイト→ http://montue.ntue.edu.tw/

主催のトリメガ研究所さんのツイッター→ https://twitter.com/torimega_lab

開催期間は8月24日〜11月24日まで。

北師美術館さんから直接こんな立派なリーフレットが送られてきました。

ぼくの作品ヴァルフォックスがど真ん中に…光栄でございます。

開いてみると以前にも増して著名な方々の名前がてんこ盛りで、ぼくの出しちゃっていいんでしょうか…と恐縮。

 

ちなみにぼくの出し物は

★メイ ver.1.1
★バニー・ララビィ
★ヴァルフォックス
★チョコちゃん
★RSH ver.1.1

の5点です。

 

台湾に行かれる際はぜひお立ち寄りいただけるとありがたいです。

ていうかぼくも見に行きたい…。

2019.08.12 Monday

ミティ制作工程

近日発売と言いつつまだ発売されてない新作ミティですが、先に原型制作工程を公開。

 

ちなみにミティってのはこれ↓

過去のララビィヴァルフォックスのような細かい設定とか原画もなく、手の赴くままに作り始めた一品です。

 

作り方は昔と変わらず、ポリパテの盛り&削りがメインですが、2004年頃から「素体」と命名した直立のヌード原型を型取り・複製して制作時間の短縮をする方法をとっています。

現在の素体は2011年頃に作った3型が最新で、今回も時間があまり無いのでこれを元にします↓

1:型から抜いた状態。

2:切り貼りしてポーズ変更。

3:パテ埋めして各部の造形を進めていきます。

 

ウエストと下半身回りの造形↓

今回はエロス成分を多めにしようと思ったので、この辺の造形はかなり気合入れています(今回だけじゃないか…)。

特に横から見た時の身体の薄さとしなやかな曲線にこだわりました。

ウエスト周辺の曲線は少女特有のラインを表現。曲線のさじ加減が難しいです。

 

つま先をバレエっぽいポージングに加工↓

これはとりあえずの処置ですが、この時のイメージは全体的にバレエ的な美しいポーズを漠然と思い描いていました。

 

素体のままの頭部↓

顔はいつも作ってて楽しくもあり、悩ましくもある部分ですが、人形の命とも言える部分でもあるので、ここも気合入れます。

もちろんこのままでは納得できないので、これから加工していきます。

 

一旦全身を一体にしてポージングを考察します↓

今までは金属芯を入れずに接着のみでポージングさせていました(削ってて芯が出てくると面倒なので)が、削ってて芯が出ることより、ポージング考察のしやすさを優先して関節をアルミ棒で接続。

 

手は個人的に面倒なので苦手な部分ではありますが、気を抜くわけにもいかないのでちゃんと加工します↓

これもバレエを意識した形にしてみました。

 

脚のポージングを小変更して、各部隙間をパテ埋めして整形↓

仮の衣装分割ラインも書いています(このラインはボツになりましたが)。

 

髪の毛のイメージとしてマスキングテープでポニーテール作ってみました↓

ポージングから、クルッと回転の遠心力がかかってる印象にしましたが、やはり顔を先に完成させないと髪型のイメージが沸きません。

 

というわけで顔の造形開始↓

1:目の位置が奥まりすぎてるように思えたので前に出します。

2:盛り部分を整形しましたが、もちろんこれで納得できるわけもなく。

3:鼻の角度を変更。

4:根本的にアゴから上の造形がなってないように思えたので広範囲にパテ盛り。

 

平行して脚の方も進めていきます↓

バレエ的なつま先立ちだと展示台に固定するのが大変なので、片方のつま先を曲げて接地面積を増やします。

 

腕のポージングもイマイチ納得できなかったので変更↓

一旦切断していろいろ考察しましたが、結局新たに腕を作ることにしました↓

1:型から抜いた直後。

2:微妙ですが指先もポージング。

3:アルミ棒で接続。

これでまたいろいろ考察します。

ちなみになぜ新たに作ったかというと、元の腕と比較できるし、せっかくいい感じの手ができたのを潰すのももったいないと思ったからです。

 

頭部に戻ります。

先程のパテ盛りを削って整形したものの、またパテ盛り↓

造形と同時に、左目の位置が微妙にズレてたように思えたので修正もしています(2枚目は顔の裏側)。

 

ここからしばらく顔の造形で試行錯誤します↓

1:今となっては何が悪かったのか思い出せませんが、また鼻の位置を変更しています(出具合かな?)。

2:鼻から上がなんとかなりそうになってきたので口の形を変更。

3:整形しましたが、イマイチ納得できず。

4:まぶた形状の変更と、口周辺の立体的メリハリを増加させるためパテ盛り。

 

さらに顔造形続きます↓

1:目はかなり薄い切れ長型に、口周辺のメリハリも出てきました。

2:切れ長の一重まぶたは過去にヴァルフォックスでやったので二重に。口もいい感じになってきました。

3:テスト眼球入れて確認。

4:アゴのボリュームにメリハリが無かったので増量パテ盛り。

 

顔造形続き↓

1:アゴボリュームを増量したら今度は頬のあどけなさが減量してしまいました。

2:なので頬にパテ盛り。

3:整形。やっといい感じになりました(もちろん100%完成ではありませんが大筋はキマった感あり)。

4:首の表情も作るために胴体と接続。

 

アゴのボリュームがまだ弱すぎる感じだったのでさらに増量&整形↓

耳形状の左右バランスも取り始めます。

 

顔造形終盤↓

1:顔はほぼこれで決まりっしょ!と納得。

2:耳の造形バランス取り。

3:頭部ほぼ完成〜。

4:全体図

 

頭部がほぼ決まったので、次は髪の毛の制作に入ります↓

1:最初の頃にマスキングテープでポニーテール作ってみましたが、ショートボブで後頭部周辺のボリュームの多い髪が浮かんだのでそれでいこうとパテ盛り開始。ちなみに後頭部と前頭部(顔)は眼球パーツを入れるため別体になっています。

2:後ろ髪をざっくり整形。

3:毛先の造形。正直、髪の毛造形は苦手です。

4:キット組立時に、前髪とのつなぎ目を加工無しで自然に見せるため、ということと、単純に可愛いのでカチューシャを入れることにして、カチューシャの入るスペースを切削。

 

切削したスペースにパテを盛って、カチューシャのベースが出来ました↓

ちなみに基本的なことなので造形されている方々にとっては当たり前のことですが、パーツの分割には離型剤を使用しています。

クレオスのMr.シリコーンバリアーは塗膜が薄くて速乾なので、すごく扱いやすいです。

 

カチューシャの大雑把な造形ができました↓

かなり分厚い感じになっているのは、これから前髪を作る際に、前髪とのつなぎ目を作るためです(前髪の形状や厚みを決めてからカチューシャを造形する)。

 

並行してパーツ分けに使うジグ(治具)も制作↓

ある程度の強度も必要なのでブ厚く作りたいところですが、結局捨てるものにパテを消費するのももったいないので、それほど厚く作らずに表面(裏側と言うべきかな?写真には写ってない面)にはパテで補強リブを入れています。

しかしそれでもけっこうな量になります。

 

下半身は分割するライン(衣装の形)がある程度決まっていたので先に作りましたが、それ以外の上半身や腕の分割は全然考えておらず、この段階で衣装を真剣に考え始めます↓

ワンフェスまであまり時間がないということと、個人的な好みでやっぱりワンピース型のレオタとかバニーガールみたいな形がいいかな、と描き込み。

過去作のララビィとかなりかぶっちゃう感じですが、まぁ若干違うデザインだし、顔や身体の造形も全然違うからいいか、と安易に決定(笑)。

 

分割ラインが決まったので首と胸部のジグ制作↓

腕は同時にはやりにくいので後で。

 

完成したジグ3種↓

向かって左から首、胸、下半身となります。

 

前髪を作ろうとして、もみあげ周辺も作らないといかんということに気づく↓

今回の髪型は過去作でも何度か作ったショートボブですが、今回はカチューシャを境に耳を出している感じにしたかったので、もみあげ周辺がツルツルのままだと組立時にユーザーさんが悩んでしまいます。

1:髪の分だけの厚みにパテ盛り。

2:表面の曲面を整形した後、ペン型ヤスリで髪の流れ(ヘアライン)を彫刻。

※今回のキットでは、もみあげ以外の髪部分にもヘアラインを入れて製品化する予定です(過去作では髪部分もツルツルで、組立時に粗目のサンドペーパー等でヘアライン仕上げを入れることを推奨していましたが、ぼく自身も面倒くさいと思ってたので、今回からさらに作りやすく原型にヘアラインを入れることにしました)。

3:もみあげ周辺ができたので前髪をパテ盛り&切削整形。

4:盛り&削りだけでは出せなかったボリューム感を手っ取り早く増量するため、前髪パーツ裏側に再度パテ盛りして厚くなるような位置に微調整。

 

首のジグができたので頭部を切断して、腕のジグ制作を開始↓

首の切断面も接続面やダボ穴を作るために整地(気泡&段差埋め)しています。

 

ジグを使って左腕と首の接続面を生成している状態↓

ちょっとこのあたりの記憶がおぼろげなのですが、腕のジグはなぜか半分だけ使っています(半分だけ失敗したとかかな?)。

 

できあがった左腕の接続面↓

毎度のことですが、こういったパーツの分割部分ができたばかりの時は、境目がわからなくなるくらいの高精度なエッジがあって、はめ込み保持力もかなりカッチリしているのですが、周辺の造形を進めていく段階を経ると各部が摩耗してハマりが緩くなったり、つなぎ目のエッジも甘くなったりしていきます。

でも複製してレジン化すると収縮の影響なのか、意外とちょうどいい塩梅になってたりします(つなぎ目のエッジは衣装を造形する際に衣装分の厚みが加算されたり整形するのでどうでもいい)。

ちなみにダボ中心あたりにある小さなポッチは組立時に軸打ち(金属線を挿入してパーツ保持を補強すること)する際にドリルで同じ位置に穴あけしやすいように付けた目印です。

パーツ間にもう1パーツ挟む形の場合は、そのパーツを貫通させて同じ位置&ベクトルの穴あけができるので、このポッチはありません。

 

前髪と首パーツのパテ盛りが硬化してから外した状態↓

前髪と首パーツはこれから切削して整形していきます。

 

頭部の各部形状を煮詰めていきます↓

1:顔(前頭部)、前髪、首、後ろ髪(後頭部)パーツの仮組。もちろんパーツ接続面はまだ未成形なので隙間だらけ。

2:後ろ髪の毛先が抜きにくい(複製しにくい)ように思えたので2パーツ化させるために切断。

 

髪の毛周辺の接続面を生成していきます↓

1:後ろ髪Aパーツの接続面を生成した直後。

2:後ろ髪Aパーツ全体を整形して完成。

3:後ろ髪Aパーツとカチューシャ後面に離型剤を塗布して、後ろ髪Bパーツにパテ盛り、圧着して接続面の生成。前髪は後で。

 

上記頭部のパテが初期硬化したら首から分断して、胸の分割面制作のため上半身を切断↓

ある程度の深さまでリューターのカッターで切れ目を入れましたが、複雑な形状なので完全に分断できず、中心部はブチ折る。

コンピューターの3D造形だとこういうの楽なんだろうなぁ。

 

上半身の各分割面ができてきました↓

向かって右から上半身と首、顔、カチューシャと後ろ髪A、後ろ髪B、左端に見切れてるのが腕(どっちだか不明)。

 

上半身が分断されたので下半身も同時進行できるようになりました。

ブーツ造形を開始↓

1:基本的な足の造形。

2:靴底の厚みを考慮してポリパテ片を接着してかさ増し。

右足の靴底は台座に設置する部分なので、身体の立ち方向がちゃんと重心がとれているような感じになるように底面を調整します(アルミ棒で軸打ち接続するのでそれほどの精度は必要ないんですが、台座なしでも自立してくれたら嬉しいな〜という気持ちで調整。結局このモデルでは接地面が少なすぎて自立しませんでしたが)。

同時進行云々…というのは、パテ盛りしたパーツは硬化するまで数十分〜半日ほどじっと固定しておく必要があり(垂れるので)その間は一切いじれません。

したがって分断された後は、片方が硬化待ちしている間に作業できるということです。

 

各部接続面を整形した頭部↓

まだ本決まりではありませんが、完成時の姿が見えてきました。

 

頭部を上半身に接続してみた図↓

ここから首パーツをどういう形にするか考察していきます。

 

首パーツの形状変更と上半身分割↓

1:首パーツは衣装のギザギザデザインを踏襲して同じようなギザギザを下接続面に導入。

2:上半身はそれまでの形状よりさらにパーツ保持しやすいように、内部に大きなダボを整形して再度分割面を生成。

 

顔に次いで魅力の要である下半身の分割↓

1:競泳水着的なハイレグラインで切断。

2:胴体側に接続面のメス型を作るのと平行して、衣装の食い込みを尻周辺に造形していきます。

3:胴体側に離型剤を塗布後、パテ盛りした脚を圧着して、接続面生成完了。

4:脚側の食い込み曲面を造形。

ダボの方向が接続面に対して傾いた状態になっているのは、軸打ちする穴を胴体側に貫通させた際のベクトルを想定して、チグハグにならないようにしているためです(わかりにくい?)。

つまり、組立時に軸打ちしたアルミ棒のベクトルとダボのベクトルが同じになるように(軸打ちを真横に貫通させた場合)してるので、引っかかり無く組み付けできるようになっているということです。

 

さて、ここから衣装の縁をどう表現するか考えていくことになります↓

今の所、衣装と肌の段差はほとんど無く、これはこれでエロスなんですが、腕やブーツ、首や胸の分割部分を考えると、この薄さの衣装だとパーツのエッジ強度的に複製屋さんに原型納品するまでの間に壊れそうに思えたことと、リアリティの面からもちょっと無理がある形状だったので、もうちょい丈夫で違和感の無い形状は無いもんかとけっこう悩みました。

というのも、肌と衣装のつなぎ目を双方直角に近いエッジで作ると、強度は高くなるんですが、よほど精度が高くないといかにも「つなぎ目」という感じになってしまいます。

そこで衣装側にV字型のダボ溝を彫って、衣装パーツに食い込む肌パーツを作ります。

過去作は大体この手法で作られていますが「つなぎ目感」の緩和効果はまあまあでした。

そこでまず、脚の付け根の接続面をもっと改善できるだろうと気がついて改良↓

衣装との境界のダボ溝を細いV字から太くて深い丸溝に変更。

衣装の食い込みから衣装内部へ、いかにも肌が続いているように見せるためにこうしたんですが、左脚の前面のごく一部以外の部分では、改良前とさほど違いが生まれませんでした。

でもまぁV字溝よりは改善されたかなという感じ。

 

ブーツの分割↓

1:左足のかかと形状(位置)に違和感があったのでいろいろ考えた結果、このように改修。

2:パテ埋め整形後。

3:分割のためのジグを制作。

4:分割完了後、縁の造形を進めます。

縁の造形は、とりあえず衣装分の厚みや縁の感じを出すためにパテ盛りして肌面との段差を作ります。

 

ブーツ同様、腕のつなぎ目も同じような形状にします↓

もちろんこのパテ盛り状態が完成ではなく、ここから削り込んで造形していきます。

 

胸の上部つなぎ目も同じようにするのですが、その前にさらに繊細に衣装の表現をするために若干の食い込みや段差を作ります↓

ところが、この後大失敗をしてしまい、この加工は水の泡になります。

 

腕のつなぎ目の縁を造形↓

そして腕を一旦外して、胸の上部のつなぎ目も剥がして造形開始しようとしたら、ガッチリ食いついて全然剥がれない…。

そうなんです、この胸の上部のパテ盛りの際、離型剤を塗るのを忘れてて完全に接着してしまったのです。ギャーー!!

よりにもよって接続面全面にパテを塗布していたので接着力は超強力。

 

この失敗箇所の復元方法として、表面を切削整形でヌード状態に戻して、再度リューターカッターで切断して、接続面を再構築して…という「一からやり直し法」が無難ですが、離型剤を塗っていないまま接着したとはいえ、ポリパテの特性として一度硬化した表面がそれほど荒れておらずツルツルしている場合、運が良ければそのツルツル面からパリッと剥がれる可能性もあります(接着してほしい時に限ってこういう部分が剥がれたりするので、離型させないパテ盛りをする場合は盛る面をナイフやヤスリで荒らします)。

どっちにしても切断面やラインはガタガタになることはわかりきっているので、ナイフをつなぎ目に当ててガンガン叩いてみましたが、もちろんこんな大面積が接着しているので剥がれるわけもなく。

なのでリューターカッターでつなぎ目ラインに大雑把に切れ込みを入れて、そこからナイフやヘラ等を叩き込んだりこじったりして、なんとかこんな感じに分断↓

思い切り手で掴んで剥がそうとした時に、肩の部分から先がもげてしまいました。

問題の胸上部の接続面はかなりガタガタですが、大きなダボ形状も残りました。

あとは接続面のガタガタ部分を整地して再度接続面メス側を彫刻、そして今度は絶対離型剤を塗り忘れることなくパテ盛り、圧着して新しい接続面の完成↓

1:分断した際のラインがけっこう怒りに任せて大雑把に入れたためにかなりいい加減だったので、ジグも使って元の胸の起伏を再生して、これを切削して正しい接続ラインで接続面を作っていきます。

2:新生・胸上部の接続面。

3:結局衣装の縁はこのような形状に統一。

腕の衣装の縁は前述の状態だと薄すぎて強度が出せなかったので、このリブが入ったような形状になり、他の衣装も追従。

リアリティを考えると、ギザギザの頂点部分は実際にはストラップ等で釣らないとペロンと外側に垂れてしまいそうなので、縁のリブ内にワイヤーのような、形状を維持する素材が入っているのでペロンとならない、という想定です(そのワイヤーは輪っかではなく、一部切り離されているのでブーツの裾や胸上部も伸縮性のある生地によって広がって着脱できるという脳内設定)。

 

一旦仮組↓

首と脚の付け根の縁はまだどうするか未定。

 

脚の付け根の縁を煮詰めていきます↓

1:衣装の食い込みを想定して、脚パーツの縁エッジを少々丸めます

2:脚パーツと衣装の間にできた隙間にパテ盛り。尻・股間部分のシワ表現も開始

 

硬化後に彫刻・整形↓

脚の付け根の衣装の縁は他の部位より現実的な切り抜き(競泳水着やレオタとほぼ同じ)なので、他の部位のようなワイヤー入りリブではなく、生地の折返しの中にゴムが入っているような雰囲気にしました。

 

衣装の各部の微調整↓

1:胸上部や腕の縁リブを脚の付け根に合わせて少し細くしました。

2:前述の大失敗からの復帰によって若干変わってしまった胸の膨らみ形状を改修。

3:ブーツの縁リブも他部位同様、細くしました。

 

ブーツの靴底ディテールを造形↓

脳内設定ではこのブーツの素材は他の衣装と同じくかなり柔軟性の高い生地を使って履きやすくしつつ、靴の形状保持と足のホールド性を向上させる意味で張力・弾力・厚みは他衣装の生地より多少高く、厚くなっているので、足の形が浮き出たり動作時に足が中でズレたりしにくい設計になっています。

 

ここで顔パーツを観察して気づいた微細な違和感を解消すべく微調整↓

1:下唇の出具合をもう少し自然な、力みのない形状に変更するためパテ盛り。

2:下唇整形後。首パーツの縁も他衣装と同じくリブを付けました。

3:上唇の中心部がズレていたので、中央の突起ボリュームの微増も兼ねて調整。

4:上唇整形後。かなりいい顔になったと満足。

 

仮組↓

簡単には自立しませんが、軽く補佐を入れると微妙なバランスながら自立しました(でも破損の可能性もあるので展示には台座必須です)。

 

各シワ表現を追加・改善↓

1:手首のシワ表現。

2:股間横のシワを微調整

 

後頭部の2パーツを肉抜きして材料費と重量をわずかながら削減↓

自前で複製する場合、レジン量の節約はけっこう重要な要素ですが、あまり肉抜きしすぎてパーツの厚みが薄々になってしまうと、今度は複製時に穴が空いたりいろいろ弊害が出てしまいます。

 

仮組していろいろ観察すると、全体のポージングに対して首の角度がイマイチ臭い、というか白々しい感じもしたので変更↓

1:首パーツの上部を分断。

2:顔パーツの首部分を分断。

 

感覚で接着してパテ埋めして整形↓

…しかしなんかおかしい。

よく考えたら首パーツの上部の角度が意味不明な傾きになっていたことに気づく。

頭部だけ見ればそんなにおかしくないんですが。

 

再度改修↓

1:頭部パーツの首部分をかなり薄く切断したので半分ほど欠けてしまいましたが、これくらいは些細な破損です。

2:凛とした雰囲気になりました。これでOKでしょう〜。

 

もう少しで完成だ〜!とカチューシャの仕上げに取り掛かります。

カチューシャだけだと物足りないので、なにか飾りをつけようといろいろ考察↓

1:ビキニンジャ的な猫耳。

2:女の子らしいリボン(またはバンダナの結び目)。

3:リボンを中央にしたパターン。

4:結局、猫耳は過去にも作ったし、リボンはカチューシャ本体との造形的一体感をどう出すかで悩んでしまい、時間も無いってことで簡単にできる悪魔っ娘っぽいツノを作ってみました。

ちなみにこの時点で、後ろ髪Bパーツのサイド部分の毛先の長さを改修しています。

 

尻と股間のシワを小変更↓

過去作でもこの辺の表現は多少淡くぼやかしていましたが、今回はたくさん売れてほしい(ホントは毎回たくさん売れてほしい)ので、もう少しエロスある表現をしてみました。

 

ウエスト背中側のシワも追加して、尻の膨らみの微調整をして尻周辺の完成↓

1:度重なる切削によって膨らみに歪みが出た部分にパテ盛り。

2:整形してフィニッシュ。

 

悪魔っ娘のツノは、ど〜もイマイチ可愛くないので「やっぱリボンだべ」と思ったんですが、生地を結んだ形状のリボンやバンダナの結び目と、プラスチッキーなカチューシャをどうやって違和感なく一体化させるかでつまづいてしまい、あれこれ現実に存在するリボン型カチューシャやバンダナ型カチューシャのパターンを調べてみると、思い切ったデフォルメを施したリボン型プラスチックアクセサリーを使ってたり、ぼくの脳だけでは思いつかなかったものがあって、大いに参考になりました。

そしてできたのがこれ↓

リボンというよりバンダナの結び目のデフォルメといった感じでしょうか。

パーツ構成は2分割で、塗装しやすくしました。

 

リボンの工程でいろいろ観察していると、下まぶたが分厚いというか、目の位置が少々奥まっているように思えたので改修↓

1:改修前

2:改修後

 

仮組↓

もう完成かと思いきや、前髪パーツのサイドの長さがバランス悪かったので改修↓

1:パテ盛り状態

2:整形後

 

さらに左腕の角度に少々違和感を感じたので変更↓

1:肩の接続変更。

2:左腕衣装側接続部の肉厚が薄すぎたようで破損。

3:肌側の接続部エッジを丸めて、衣装側接続面を再生成して対処。

 

左脚の付け根の、微妙なくぼみ部分のつなぎ目に隙間を作りました↓

1:矢印部分の衣装とのつなぎ目に隙間を作ります。

2:ちょっとわかりにくいですが完成。わずか〜に隙間があるんです。

 

仮組↓

も〜いいかげん完成でしょ〜とフィニッシュ認定。

パーツ数は写真に写ってない眼球パーツを含めて全17パーツ↓

これからサーフェイサー(サフ)処理に入ります。

 

今回は今まで使ってたグレーサフがあまり残ってなかったので、このサフを使います↓

ロックペイントの「ラッカープラサフ ホワイト」

これは以前ヘルメットの塗装時に使用したもので、食いつきも下地隠蔽性も良かったので今回原型にも使ってみることにしました。

うすめ液は販売店によると専用うすめ液を推奨していたので、それを使用。

ところが、いざ原型に使用してみるとなにか様子がおかしい↓

1:表面の一部が水ぶくれにようになる現象が発生(指で触ったので指紋もついてる)。

2:とりあえず研磨してみましたが水ぶくれは完全に消えず。

3:ナイフで剥がしてみると、あっさり剥離して食いつきが非常に悪い感じがします。

水ぶくれと同時に、塗料が濃い時に起きるダマも発生しましたが、かなり薄めているにもかかわらずダマが発生するので、塗料の乾燥が異常に早いのではないかと推測。
そこからうすめ液が原因と判断し、ガイアのうすめ液に変更したら多少塗りやすくなるものの、症状は完全に収まらず。

水ぶくれ現象が起きた箇所は硬化(乾燥)が異様に遅くなり、なおかつ下地にも食いついておらず、原因はうすめ液ではないように思えてきました(そもそもヘルメット塗装した時にはこんな現象は起きませんでした)。

 

顔の二重も元の状態よりもかなり塗膜が厚くなってしまい、一旦ナイフで塗膜を剥離させました。

今までのサフならここまで厚くなることはなく、乾燥による肉やせで薄い塗膜が形成されていたように思えます。
水ぶくれ箇所も一度ナイフで削ぎ落とし、再度吹いてみましたがやはり水ぶくれが発生。
そこでもう一度ナイフで削ぎ落としてから、今度は筆で薄めていない塗料を厚塗り。
ちなみにこの水ぶくれ箇所を研磨すると質感は粉っぽいもののその粉末自体は柔らかく、研磨である程度の水ぶくれが潰れて均質化して塗膜のようになりますが、やはり下地には食いついておらず、サフとしての役割を果たせていません。

 

筆塗りした箇所は1日置いても完全硬化しておらず、恐らくポリパテ硬化時に出る揮発成分と白サフの材質の相性が悪く、硬化不良を起こしているのではないかと新たに推測。
完全硬化を待たずして研磨してみても、やはり水ぶくれは次々発生。
つまり下地に食いついてないので、この塗膜は失敗と判断。
こうして収拾つかなくなった左脚は白サフを全部剥離して従来のスプレー缶のグレーサフでやり直すことに↓

1:ツールウォッシュで白サフを除去。溶けるというより粉々になっています。

2:グレーサフを吹いた状態。水ぶくれは出なくなりましたが、ダマは発生しました(グレーサフは元々は缶スプレーの塗料で、缶に穴開けて取り出した塗料をもう少し薄めてエアブラシで使っているので、濃すぎるということはないと思います。しかもダマが発生する箇所が水ぶくれの起きた箇所とかぶっていることを考えると、やはりポリパテ表面が悪さしている印象)。

3:しかし、ダマくらいなら研磨で簡単に除去できるので、下地が出ない程度に研磨した後、上塗りするといつものような硬い塗膜が形成されました。

水ぶくれ現象が起きた箇所が限定的だったこと(全く問題なく塗れた箇所・パーツもある)を考えると、ポリパテの硬化剤添加量にムラがあって、硬化剤が極めて少なかったか多かったかのどちらかの箇所で、主剤か硬化剤の揮発成分が多めに出てサフに悪影響を及ぼしていたのではなかろうかと推測。

…ていうかこんな化学的なトラブル起こされても素人はわかんねーっつーの。

時間無い時に限ってこういう意味不明なトラブル起きるんすよね〜。

 

左脚以外では上半身パーツでも同様の現象が起きたので、これもツールウォッシュで白サフを除去↓

すると今度は粉々というよりシワシワになって剥離。

どっちにしても下地に食いついてない感ありあり。

溶けないのは恐らく白サフの成分がツールウォッシュに耐性を持っているということだと思います。

 

他のパーツはとりあえずダマも水ぶくれも発生せずに塗れた(又は補修できた)ので、表面の研磨傷を隠してツヤと質感を調整するためだけにグレーサフで軽く上塗りして終了。
ナイフで塗膜を削ぎ落とした目の二重部分も、な〜んかまだ厚ぼったい、というか目の形自体が以前と違うように見えたので、よくよく観察するとまぶたの輪郭(目の形を形成するライン)にも厚い塗膜があり、かなり目が小さくなっていたことが判明。

これを除去するとほぼ以前の状態に戻ったので、ここもグレーサフを軽く吹くだけにとどめて終了。

 

上半身をグレーサフで処理する前に、どうもイマイチ納得いかなかった腕の角度(又は肩の位置)を変更↓

1:一度切断して位置・角度を変更して接着。

2:パテ埋めして整形したものの、まだちょっと変だったので再度微調整。

3:今度こそフィニッシュ。

 

ちなみにこの一連のサフ処理において、何度もエアブラシから水が吹き出すことが多発しまして、コンプレッサーに付いてるセパレーター(フィルター)を見てみましたが水滴くらいしか付いておらず、念の為タンクのドレン(水抜き穴)も開けてみましたが、水がタプタプに溜まっているようなこともなく「なんで??」とまた意味不明なトラブルが起きて困惑。

ネットで調べてみると、どうも湿度が異常に高い場合はセパレーターやタンクがあっても水が吹き出すことが起きるとのこと。

この時期続いた雨で湿度が高かったようです。

原因はわかりましたが、そのまま作業続行するとまたイライラするのでなにか対策はないかと検索。

そこで見つけたのがこれ↓

クレオスの「ドレン&ダストキャッチャー」。

理屈で考えると、エアブラシの直前でゴミや水分を仕分けしてくれるので、かなり期待できます。

構造は至ってシンプルで分解清掃も可能。

実際に使ってみましたが、これを取り付けて以降水が吹き出すことは無くなりました。効果てきめん。

考えてみたら、ぼくのエアブラシはコンプレッサーからけっこう長めのホースでエアブラシにつながっているんですが、恐らくそのホースの中で水滴が発生していたのではないかと思われます。

なのでコンプレッサーのセパレーターやタンクには水が溜まっていなくても水が吹き出してしまってたのではないかと。

 

というわけでなんとかサフ処理は終了〜。やっぱサフ処理は嫌いだわ〜。でもやらなきゃ製品クオリティ上がらないし。

で、次は型作り。

本来ならここから先は業者さんに出して複製・量産になるんですが、原型完成が業者さんの締切に間に合いませんでした。

当初は原型展示しようと思っていたんですが、片脚のつま先立ちという、非常にアンバランスなポージングなので、安定させて展示するには足の裏に穴開けて軸打ちする必要もあり、なおかつその上のパーツ群も接着したりして崩れないようにしないと危ない。

展示が終了した後は接着を剥がしたり穴埋めたりしないとダメだし、その際に破損する可能性もあります。

それならいっそのこと自前でレジン化して試作品の完成見本を作った方が楽だと思ったわけであります。

これなら2体複製して表裏を見せることも可能になるし、後々展示品を販売することも可能で一石二鳥。

 

というわけで型取り開始↓

これは衣装パーツの粘土埋め工程。

この段階で気泡が発生(溜まる)するかどうかがほぼ決まるので、パーツの配置や角度を熟考します。

この辺のノウハウは過去作のイヴ以前の時代に自前で量産していた頃に身につきました。

おかげで業者抜きに近いレベルで複製することができるようになりました(さすがに全く同レベルにはできない)。

 

型両面完成↓

型取り作業はサフ処理同様、ほとんどクリエイティブな要素の無い、退屈で忍耐のいる作業ですが、サフ処理よりは楽。

 

同じようにして肌パーツの型も作ったらレジンの手流し作業に移ります↓

…っていきなり失敗〜。

クランプのゴムが少なかったようで下から漏れてしまいました。

これで1体分のレジンが無駄になりました(かろうじてレジンが全部流れ込んで硬化したパーツは予備に使えますが)。

 

気を取り直して今度は成功↓

向かって左が肌パーツ、右が衣装パーツ。

衣装パーツはこれでほぼ完了ですが、肌パーツはこの後細かくチェックして気泡やゴミが目立つところに出ているとボツになります。

なぜかというと、ぼくの塗装方法はサフレスといって肌部分はサーフェイサーを使用せずに、クリア系塗料(染料)をメインに使って透明感のある仕上げにしているので、気泡やゴミがあると補修してもそれを隠すことができずに目立ってしまうからです。

過去作でもお客さんに販売するキットはこうした理由でかなりのボツやアウトレット品(笑)が生まれまして「こんな効率の悪いことやってられっか!」と業者さんにお願いするようになりました。

複製品に使用される2液性レジン(ポリウレタン樹脂)は現在では「ノンキシレンタイプ」というものが流通しているのですが、この「キシレン」という成分が非常に有害で、ぼくが自前量産してた頃はノンキシレンタイプは存在しておらず、これがホントにキツかった…(ノンキシレンタイプでも有害成分が皆無というわけではないのでご注意)。

肉体的にも内蔵や生殖機能に悪影響が出る上に、精神的にもかなりダウナーになってしまう効果があったようで、何十個も抜いていると気泡やゴミの妨害もあって精神的にストレスMAXになり、シラフの今ではどういうロジックなのか想像つきませんが、死んだほうがマシなんじゃないかとか考えるようになったりして「これホントやばいな」と実感しました。

脳にも悪影響あったんだろうな〜。

本来は有機溶剤用の防毒マスクと、極力肌の露出を抑える服装(皮膚呼吸でも入ってくる)を着て、室内の換気も十分にしてやらないとヤバイということらしいんですが、ワンフェス前は真夏ということもあって、毎回薄着でマスク無しでやってたからすぐ影響出ました(後半はマスク導入しましたが皮膚呼吸で入ってくるので、体感ダメージはほとんど変わらず)。

ちなみに今回使用したレジンは肌色の方はノンキシレンタイプですが、白はキシレンあり。

でも抜いた数がそれほど多くなかったので特に酷い精神汚染(笑)はありませんでした。

もちろん2液混合して硬化した後の製品にはそんな有害性はほとんどありませんのでご安心ください(人体に害のないレベルでの揮発成分はあるかもしれないけど)。

 

気泡とゴミに関しては、今でもぶっ殺してやりたいくらいに腹立たしく思ってますが、目立つ部分に限って出てくるんすよね。

中でも意地でも同じ位置に出てくる気泡なんて、意思持ってんのかよ!と言いたくなるくらい不可解な挙動で出現します。

例えば顔パーツ。

左目の下まぶたの同じ所に気泡が出るので型に溝彫って対処したところ、その溝を無視して同じところに居座ってやんの↓

ぼくは人間等の生物に対してはそんなに怒ることはないんですが、こういう無機質な物体や現象が意思を持ってるかのごとく人間のすることに反発してくると、めっちゃ腹が立ちます。

こういう物理法則を作った目に見えぬ神的な存在(そんなもんが存在するのかわかりませんが)に腹が立ちます。

見えない所に出てくるならまだしも、必ずと言っていいほど目立つ部分に出てくるってのがもうイラ度MAX。

まぁ冷静に考えれば流体力学とかで説明できるんだろうけど、そんな理屈素人にはわからないしねぇ。

ちなみにこの気泡は流し込む際の勢いなのか、かき混ぜる際に出た気泡が運良くパーツに入らなかったのか、型の熱拡張の影響なのか、イマイチ理屈がわかりませんが、何回かやってたら出なくなりました。

 

結局衣装パーツは上手く抜ける率が高かった(品質ハードルも低いので合格しやすい)ものの、肌パーツの打率が低かったので、7体分抜いてやっとマトモなセットが2体分できました↓

やっぱこの作業も地獄だわ…。

 

そんなノットクリエイティブで地道な辛い作業も終わって、ここからは楽しい組み立て作業↓

これはパーティングライン消しと軸打ちが完了して仮組した状態。

パーティングラインは自前で型作りしたおかげで理想的な位置にラインを持ってくることができるので、非常に楽にできました。

業者さんの場合は経験値もあるので、ほとんど指示しなくてもほぼ満足な出来にしてくれますが、たま〜に「あ〜こっちにライン持ってきちゃったか〜」ということもあったりしました。

まぁ組み立てに障害が出るほどのものではなく、パーティングライン消しの切削・研磨でコンマ数mm形状が変わってしまうとか、原型で仕上げたサフ処理の質感が消えてしまう、といった程度の不満なので、塗装して組んでしまえばほとんどわからなくなる話です。

そういうこだわりのある箇所はちゃんと紙かなんかに書いて指示した方がいいかもしれません。

 

塗装して展示できるレベルになりました↓

塗装に関しては過去作同様の塗り方で仕上げました。

現在のトリブレインのウェブサイトではまだ載せてませんが、サーバーが切り替わる以前のサイトでは原型製作や塗装の工程も詳細に載せていたので、ものすごい情報量でした(1作品につきこのブログ記事と同じくらい、又はそれ以上の情報を載せてました)。

いずれ現在のサイトでも原型製作工程と完成品組み立て工程のページを作りたいと思っておりますが、いつになることやら…。

 

肌パーツの塗装が終わって仮組して観察していると、ちょっと首が長すぎるように思えてきまして、急遽首パーツを作り直し↓

1:原型を切断・短縮・パテ盛り。

2:整形して終了。

ちなみにグレーの頭部と上半身は色味調整失敗してしまったレジンを注型してできた1発目の複製品。

 

この新首パーツを再度型取りします↓

このパーツだけ複製するので新たに小さい型を作りました。

 

また気泡が〜↓

まぁこのパーツは衣装側だし、型の改良も簡単(多少バリが大きくても繊細な表現をする箇所ではないので気楽に大きい気泡抜きルートを彫れる)なのでこの気泡はすぐに出ないように型を改良して抜き直して終了。

 

首パーツの新旧比較↓

1:旧パーツ

2:新パーツ

目線が違うのは違うヘッドだから(1が試作品X-1、2が試作品X-2)。

2体作るんならちょっと目線変えてみようと思ったわけです。

どうせ1体は後ろ向きで展示するし、全く同じに作る必要もないので。

 

衣装の塗装はこれからだったんですが、ここでもうワンフェスまで時間が無くなってしまい、2体とも真っ白な衣装で展示することになりました↓

サフ処理での謎のトラブルさえ無ければ衣装の塗装もできただろうに…。

X-1が表向き、X-2が後ろ向きで展示することにしました。

 

その後ワンフェスも無事終了し、展示したミティ(当時は名称未定)もかなり評判が良く、商品化できてたらなぁ〜と悔しい思いもありましたが、いろんな方々とおしゃべりしたり、懐かしい友人と再会したり、やっぱりイベントは楽しいもんです。

 

首の長さを改修したミティですが、会場では照明が真上だったこともあり、顔が若干陰ってしまったのが残念ポイントでした。

家に帰ってから改めて観察していると、ちょっとうつむき加減過ぎるようにも思えてきたということと、左腕が少し長いということに気が付きました↓

1:改修前。うつむき加減以外にも、矢印部分あたりが飛び出ていておかしいです。

2:改修パーツの仮組状態。左腕も短縮しています。

 

上半身パーツも各部を改良しました↓

1:首パーツに隠れるエッジ部分の影響で、首パーツを複製すると肉厚がかなり薄い状態に成形されて、場合によっては穴が空いてしまうこともあったので、上半身側のエッジを丸めて、首パーツの肉厚を増量。

2:左腕も短縮。写真は接続部分にパテ盛りする前。

3:整形後のサフ処理も完了。

4:歴代首パーツ。Aが最初の長い首。Bがワンフェスで展示した首。Cが今回新造した首3型。

 

展示した試作品は役目を終えたのですが、販売もするので改善した首3型を取り入れないとお客さんに申し訳ない、というわけで型取り↓

1:型は2型の型を再利用。くり抜いた部分に粘土を詰めて新原型をセット。

2:反対側もくり抜いてシリコンを流すのですが、ある程度クランプしておかないと隙間から漏れたり、レジン注型時のクランプ圧力との差で成形品が歪んだりする恐れもあるので、このようにシリコンを流し込む穴の空いた板を挟んでクランプ。この板が無いとゴム部分だけ圧力がかかっていびつな型になってしまいます。

 

展示時では未塗装だった衣装パーツの塗装↓

白レジンなので、何も塗らなくても上塗り塗料の発色は良好なんですが、上塗りの食いつきと紫外線の影響による黄変を防ぐ意味で白サフを吹いています。

白サフは原型に使用して謎のトラブルを起こしましたが、レジンでは全く問題ありませんでした。やっぱポリパテが原因か。

ちなみに左腕の長さの改修は、原型では上半身パーツを改修してますが、この完成見本では上半身パーツだけ交換してしまうと注型ごとに色味調整していた都合で、顔や脚との色の差が出てしまう恐れもあったので、衣装側である左腕を短縮加工して対処しています。

 

この後は冒頭にあるように白と赤の本塗装を施して完成見本も完成〜。

これにて、約8年ぶりとなった新作1/6ガレージキット「ミティ」の制作記事は終了です。

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