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2016.09.28 Wednesday

人・形(ヒトガタ)展のお知らせ

本日28日から10月4日まで、東京丸の内オアゾ4階ギャラリーにて、様々な創作人形の祭典「人・形展」が開催されます。

展示されている作品は全て販売されているので、その場で衝動買いも可能です(笑)。入場無料。

ぼくの商品は等身大胸像のRSH ver.1.1RSH-A3の2体で、一昨日完成したばっかの手作り完成品です↓

上記2体は今年2月のワンフェスで展示していたものと同じモデルですが、塗装・組み立ては新たに行い、眼球パーツもできたてホヤホヤです。眉毛は塗装方法を少し変えたので以前より少しリアルになったかと思います。

収納BOX、展示用スタンド、取扱説明書、桜文鳥直筆の鑑定書(字はヘタです)が付属します。

今回はテーブルがスペース中央付近にあるので360°から観察可能です。

平日も開催しておりますので、普段土日休めなくてワンフェス行ったことないなんて方もぜひお越しいただき、RSHシリーズの生々しさを肉眼でご堪能ください(笑)。

ちなみにぼくは毎回ヒトガタ展の開催中は家の事情で滅多に顔を出さなかった(出せなかった)のですが、今回は父が入院中のため介護する必要がなくなったので、なるべく多く顔を出そうかと思っております。

運良く遭遇して、何か質問や聞きたいことなどありましたらお気軽にご相談ください。

 

というわけで、ここからは前回の記事「沈黙の溶剤」の続きを掲載。

前回、眼球パーツのクリア層を作ろうとして使用したエポキシ樹脂に、溶剤が入ってるというブービートラップによって塗装面が溶けるという、ジョン・ランボーが雄叫びあげながらM60軽機関銃を乱射するレベルの怒りのトラブルがあり、改めてエポキシ樹脂を購入し直しました↓

タミヤの「透明エポキシ樹脂150g」です。

世界のタミヤさんの商品なら信頼性もバッチリでしょう、と早速イチから作り直した眼球パーツのベースをドブ漬け↓

このクリア層用シリコン型も、前回の記事で新たに作り直したもの。

使ってみると前回使ったブレニー技研の樹脂より明らかに粘度が高い(程よく加熱したハチミツ程度かな?)ので、混合時に発生した気泡が少々抜けにくい感はありますが、本来のエポキシクリア樹脂はこれが普通です。

気泡が抜けにくいとはいえ、硬化時間はかなり長い(初期硬化で約1日。室温27℃前後)ので焦って撹拌する必要は全くなく、ゆっくりムラが見えなくなるまで混合させればほとんど気泡の無い状態になります。

対して溶剤が添加されていたブレニー技研の樹脂は粘度がタミヤのものよりかなり低く、気泡抜けという点ではタミヤ以上の効果があり、それほど気を使わなくても気泡がどんどん抜けてくれますが、塗装侵しちゃうのはキツいっす(商品説明に「溶剤が入っているので塗装面を溶かす恐れあり」とかしっかり書いておくべきだと思う)。

ちなみにこの眼球パーツの虹彩部分はかなり細かいモールドなので、気泡が出ないように筆で樹脂を厚塗りしてから漬け込んでます。

 

そして約1日経って、手で触ってほとんど硬化したかな?という感じになったので型から剥がしてみると…↓

うぬぉお〜!型が貼り付いてボロボロになった〜!(矢印の色が対応する貼り付き部分。黄色部分は眼球側を剥がしたのでキレイになってます)

無傷で成功したのは1個だけ…しかし不幸中の幸いか、一番酷い貼り付きを発現したもの以外はなんとか爪でチマチマやってキレイに剥がすことに成功。コンパウンドで磨いたらツルピカになって一安心(型は一発でゴミになってしまいましたが)。

ところが一番酷い貼り付きを発揮した眼球パーツはご覧の通り↓

無理にシリコンを剥がそうとしたらクリア層まで持ってかれた〜(写真上)!

爪でチマチマ剥がしても、ほぼ同化してんじゃねーの?っていうくらいの貼り付きを発揮しておりまして、ランボー怒りのアフガンな感じ(写真下)。

でもふてくされて寝るような悠長な時間は無いので、すぐに眼球パーツのベースを再度複製↓

これがまた地味に面倒なんすよね…手や道具も汚れるからツールウォッシュ(有機溶剤)が大活躍して、昭和時代のシンナー中毒の若者が大喜びしそうな臭気(トルエンとは違うんだろうけど)が部屋中に満ち溢れるし、スペースも狭いから他の作業出来ないし。

そんな劣悪な環境から生まれた眼球ベース1個だけを塗装して、唯一生き残ったクリア層用シリコン型を使って再度ドブ漬け。

ちなみにこのドブ漬け前に、念のためフッ素系離型剤を吹いて、ツルピカ部分はティッシュで拭いてツヤを妨げないようにしておきました。すると…↓

今までの貼り付きがウソのようにスポッと抜けた(写真上)。

どうやら今回の貼り付きによるトラブルはタミヤの樹脂が悪いわけではなく、型のシリコンが硬化してすぐ使用(注型)したことが原因だったんではないかと推測。

型によって貼り付き具合が違ってたというのも、1個1個シリコンを雄型に流し込んで硬化させてを4回繰り返して4個作ったので、最初に作った型は硬化が進んだ結果抜けが良かったと。んで最後に作った型は硬化してすぐエポキシ流したから貼り付きが酷かったとか。要はぼくが焦ったのが失敗の原因。

今までガレキやRSH本体に使うポリウレタン樹脂ならば、できたてホヤホヤのシリコン型には一切離型剤吹かなくてもスポッと抜けてたのでエポキシも大丈夫だろうと思ってたのですが、やはりエポキシの接着力は強力なんでしょうか。

まとめると、エポキシクリア樹脂を使用する際は、シリコン型には前もって離型剤を塗布しておくことと、シリコン型は硬化直後にすぐ注型しないことが重要である…てことかな?

このセオリーを守ってれば無事抜けるでしょうと、今回もまたお勉強になりましたとさ。めでたしめでたし…とはいかのおすし。

上記写真下の矢印が示すように、なんと1個だけ再塗装して作り直した眼球パーツの色味が他の3個となんか違う〜!

数日前の塗装工程くらい覚えてろよこのクソ脳みそって感じ。ていうかケチって1個だけ作ったのが裏目に出たってことでしょうな、ワッハッハ〜………………………………クッソ〜2個作ってりゃ問題なかったのに〜!

せっかくキレイにできましたが、これは失敗と言わざるをえないでしょう。

この1個どうしよ…目玉のおやじでも作ろうか…とこの日はこれで精根尽き果てて終了。

翌日ふと、シリコンに持ってかれて一部クリア層が剥がれた眼球パーツに貼り付いたシリコンの残党を爪でコリコリすると…なんとあっけなく剥がれるではないか!

全部剥がした後にコンパウンドで磨いてみたら…あら!これ使えるじゃん!となりました。

剥がれた部分がまぶたに隠れる範囲内だったのが幸いでした。

どうやらエポキシとシリコンの双方ともに硬化がさらに進んだことで剥がれやすくなったのではないかと推測(推測ばっか)。

要は何事も焦るなってことですな。でもまぁこれで面倒な眼球パーツを改めて製作しなくて済んだ!

ということで次はRSH本体の仕上げ。

 

今回RSHシリーズを2体、再度組み立て(ver.1.1、A3ともに2個目になります。ちなみに1個目は現在美術館で巡回展示中)するにあたって、1個目完成後から感じていた反省点を踏まえて改善を試みました。

その反省点というのが「まゆげの塗装」です。

今までは「筆よりも均等な太さの毛を描きやすい」という理由から、水彩色鉛筆の黒で毛を描いて、それを塗料用の薄め液でぼかしていたのですが、これだとどうしても鉛筆の粉っぽさが残ってしまい(それ以前の2B鉛筆よりはマシでしたが)その薄め液によるボケ方も、グラデーションはキレイなのですが、毛のボケなくていい部分までボケてしまい(毛の根元だけぼかしたかった)毛の立体感があまり感じられませんでした。

 

そんなある日(8月中旬)たまにヘッド原型をやらせていただいているアルテトキオさんの商品撮影のお仕事(例のインチキカメラマンワーク。今は機材もノウハウも少しだけアップグレードしてきたのでインチキレベルからは卒業できたと自画自賛)で、中国製ヘッドのサンプルを見て驚きました。まゆげ塗装が超上手くなっていたのです↓

 

ちなみにこの写真は、カメラ=X-T1、レンズ=XF35mm/f1.4によるもの。絞り優先f1.4。

顔のパーツ形状一つ一つは驚くほど繊細な造形というわけではないのですが、タレ目や脱力感のある半開きの口もなかなかいい塩梅で、全体的な表情が醸し出す雰囲気がかなり良い。

特にまゆげの塗装は「やべぇこれは負けた…」と思うほどのレベルで、よくネットで見かけていた、ドールメイクが非常に上手い人レベルというか、毛の1本1本をちゃんと根元から先端まで上手&繊細に描いてるという、ぼくの性格では不可能と思ってしまうようなレベルでした。

今までこういう塗装は「これは無理!」とハナから諦めていたのですが、撮影を通してずっと見てたらなんか「ちゃんとした面相筆で集中力維持できればできるんじゃね?」という気もしてきたのでレッツトライ↓

1:大まかな角度と長さを薄く描いて

2:毛をどんどん足して

3:毛の根元をぼかし(又は失敗した毛を修正したり)

4:中央部に毛を足して完成

…ん〜まだ中国産ヘッドのまゆげには勝てなかったか…もうちょい塗料を薄めた方が良かったのかな〜。

ていうかまだ繊細さが足りない。でも過去の鉛筆まゆげよりはリアルになったかと思います。

面相筆による毛描きも思っていたほど時間もかからず苦痛ではありませんでした(そこが繊細さの足りない原因かも)。

この毛描き法で下まつげもフィニッシュ↓

これも以前より上手くなったか…いや、大して変わらないか。

 

次はつけまつげ。

今までは100均のつけまの中から一番リアルで短い毛の物をチョイスしていたのですが、最近の100均ではなかなかイイものが見つからず(今まで使ってた下まつげ用のちょうどいいのがどこにも売ってない)しょうがないのでネットでいろいろ調べた挙句、ドンキで売ってたコレ↓

を使用することにしました。

数々のつけま群の中で一番毛が短そうで、生え方もリアルな感じだったので。

このつけまを約5mmほどにカットして、シリコン系接着剤のスーパーXで接着していきます↓

ちなみにつけまのほとんどはパッケージから剥がすと、パッケージ固定用なのか、人間のまぶた用なのかわかりませんが、接着に邪魔な粘着剤みたいなのが両端5〜6mmくらいに付いているので、これは指でチマチマ擦って除去しておくと接着時にピンセットに付かなくなります。

つけま全部を使うと左右幅が長すぎるので、真ん中の一番毛の長い部分を間引いたりして調整。

接着完了↓

接着前はちょっと長いかなと思ってましたが、それほど違和感ないレベルで一安心。

次にこの接着したつけまの根元のクッキリ感をぼやかす工程です↓

今まで使ってた100均のつけまは根元のベースが黒かったのでかなりクッキリしており、思い切り黒塗料で急激なグラデーションをつけてましたが、今回使用したつけまは100均のより上等なのかベースが透明なため以前ほどクッキリ感は無く、使用する黒塗料も若干薄めて使用。

ちなみにつけまを接着する箇所にはリューターで細い溝を彫ってあり、接着力を補強するようになってます(ver.1.1、A3ともに同じように加工)。

あとはまぶたの二重部分にかなり薄めた黒を面相筆で薄〜く乗せて(A3のみ)塗装完了〜↓

1個目のRSH-A3はかなり色白に作ったところ、若干現実感に乏しいような気がしたので、今回は多少濃い目の肌になってます。

ちなみに肌色はトリブレインサイトの方でも何度か掲載してますが、ベースの樹脂の色を活かしつつ、自作のクリアー肌色をティッシュポンポン法で塗装。

 

最後の仕上げはウィッグです。

今回使用したウィッグはシペラスのFST-60-406(406は色の形式)。未加工だとこんな感じ↓

超ロングも面白いのですが、胸像だとちょっと無理があるのでカットします。

ちなみにカット直前の様子↓

前髪を揃えたらこんな感じに。

昔、海外のスラッシュメタルかオルタナ系バンドでこんな髪型してる人がいたような記憶がおぼろげにあります。

 

思い切り全部カット↓

あ〜また左右の長さが違っちゃったよ。もちろん修正。

こめかみ近辺の髪はヘタに切ると取り返しのつかない失敗になるのでまだ手を付けず。

 

パッツン切りした毛先をチョンチョンと縦に切ってバラけさしてから、とりあえずヘアアイロンでカールを付けてみました↓

先程手を付けなかったこめかみ部分の髪がちょっと暑苦しいような。

かといって変に切って大失敗すると、ヒトガタ展まで時間がない今となっては(明後日納品)リカバリー不可能なので、切らずになんとかならんかとヘアアイロンで試行錯誤↓

人の髪の毛と違って生えてる方向がかなり限定的なので悩ましい…。

 

あーだこーだとやってる内になんかいい感じになりました(笑)↓

結局RSH ver.1.1は今回も毎度おなじみオーソドックスなミディアムボブに決定。

次にRSH-A3ですが、使用するウィッグはver.1.1と同じFST-60。

同じ髪型にするのもなんか面白くないので、なんかいい感じの髪型ないかな〜と、とりあえず前髪だけ切らずにサイドと後だけカット&カールして、前髪をクリップで留めてみました↓

あれ?なんかこれで良くね?という感じになりまして終了〜(笑)!

 

この後は収納BOXとインスト類の製作をして納品準備完了となったわけですが、その合間に2体をX-T1で撮影↓

売れてしまったらもう手元には残らないので、何十枚か撮っときました。

ホントはもっと別のレンズでも撮りたかったんですが、時間が無かったのでXF16mm/f1.4とカールツァイス・ディスタゴン35mm/f1.4(←最近買ったばかり)だけしか使えませんでした。

ちなみにA3のヘアクリップはこの後もうちょい女の子っぽいやつを買ってきまして、それを展示・同梱することにしました。

随分長文になってしまいましたが改めまして、人・形展では上記のRSHシリーズ2体を展示・販売しております。

気になってしかたない!実物見てみたい!と思ってしまった方はぜひ、丸の内オアゾ4階ギャラリーへレッツゴー3匹!

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