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2016.09.19 Monday

沈黙の溶剤

前回の日記からもうすぐ3ヶ月。

9月28日から丸の内で開催される「人・形(ヒトガタ)展」の出し物を作らなきゃなーと思っていた矢先、また父が入院してしまいました。

 

前回の日記で書いた脳梗塞から復活してしばらくは、今までのように暮らしていましたが、次第に朝起きる動作が非常に遅くなってきて(返事はするもののなかなか起きずにゴロゴロしていることが数十分続く)日中も夜中もほとんど寝たきりのようになってしまい、トイレに行く回数も激減(つまりオムツに漏らしている)。

ぼくとしては朝起こす時の呼びかけを何度もすることになったことと、オムツの交換頻度が上がったこと以外に特に苦労することは無かったのでそれほど心配してなかったのですが、9月1日の夜に嘔吐。

本人は意識もいつもよりしっかりした感じで「ちょっと気持ち悪い」と言ってたのでしばらく寝かせて様子を見たら治ったようで、一人でトイレにも行けるようになり、安心してその日は就寝。

しかし9月2日朝はそれまで以上に起きてこなくなってオムツも限界突破してビシャビシャに。

昨夜は何度も一人でトイレに行ってたので安心してたのに、急にこんなになるってことはもしやまた脳梗塞?と思ってケアマネージャーさんに連絡して来てもらって確認してもらった上で救急車を呼ぶことに。

救急隊の判断により病院へ搬送。

数時間にわたる検査の結果、以外なことに脳梗塞ではなく胆管結石(間違いやすいけど尿管結石ではない)だったことが判明。

ここしばらくの朝起きる動作の遅さやトイレに行く回数の激減も胆管が詰まったことによって肝機能に悪影響が出て起きるのもだるい状態になっていたからなのかなぁと推測(あくまでシロウトの推測です)。てなわけで緊急入院。

先生の話によると持病の心肥大による心房細動もあり、脳梗塞の危険性もあり、糖尿病もあり、認知症でもあり、といろいろな難点があり、特に心肥大と脳梗塞によって水分バランスをかなりシビアにコントロールしないと心臓か脳のどちらかがダメになる、つまり心不全か脳梗塞を起こす可能性が非常に高い状態とのこと。

更に今回の胆管結石もなんとかしないといけないのですが、胆管の詰まりによって胆嚢炎も起こしており、このままでは手術も出来ないということなので、まずはこの炎症を直すことから始まりました。

何種もの点滴で管だらけになった父は認知症のせいでその管を何度も抜こうとしたらしく(前回の入院でもそうだった)今回も手とお腹に拘束具を付けられるハメに。

この拘束具、手は指のない手袋みたいなミトンを付けられるのですが、母も生前の入院時に肝機能障害によって認知症のようになって同じものをつけてたことがありました。この見た目がなんか可哀想なんすよね。でもしかたない。

それから今まで父は少しづつ回復してきたようで、明日には食事を取れるかどうかの検査をします。

でも完治するには胆管結石を除去しなければならず、まだまだ入院することになりそう。

父は87歳という高齢のため、今日までの入院ですでに歩けなくなっていると思われます。認知症も一気に進んでしまう恐れもあります(今のところ進行は感じられないけど)。

そんなわけで仮に完治して退院となっても家に帰れるかどうか…等の心配もあるんですが、ぼくの生活パターンとしては介護が無くなった分かなり楽にはなったのですが、毎日の見舞いと心理的な心配もあってまだ遠出したりする気にはなってません。

どっちにしても雨続きだし、バイクも完成してないし、仕事もあるしちょうどいいやという感じ。

 

それでここしばらくは見舞いと仕事に明け暮れてました。

今回はその仕事の一つであるヒトガタ展の出し物の製作についてのお話(前置き長ぇ)。

 

本来ならすでに存在するRSH.ver1.1RSH-A3を出すはずだったんですが、今回は「再発見!ニッポンの立体」展に両方共出してしまったので、これをもう1セットづつ作らんといかんのであります。

まずはメイン部分のヘッドと首下パーツをそれぞれの型から複製↓

ちなみにこの写真の状態は、ある程度の工作(顔パーツとの摺り合わせや展示用ステーの設置、塗装)が少し進んだ状態。

あとは眼球パーツと歯パーツも用意しないとな、とそれぞれの型を探しました。

ところが…出たよ出たよ〜コロボックルの妨害工作〜と言いたくなるようなトラブル発生。

A3の下の歯用の型がどっっっっっこにもない!A3作った時にわざわざ新規で作ったってのに〜!

RSH関連の小さな型は一つの箱にまとめて入れてたはずなのに、その必要な型だけ無くて他の必要ない型は全部あるっていうこの嫌がらせ!元になったTSMの歯型があればこれを代用できるんですがこれも無い!一番大事な原型も無い!テレビもねぇ!ラジオもねぇ!車もそんなに走ってねぇ!

もう意図的に誰かが隠してんだろ!と言いたくなるようなこの腹立たしさ。

まぁ今回に限らず、必要なものに限って見つからない(必要無くなってから出てくる)というのはぼくの人生ではもう日常茶飯事なので、いつもの通りひとしきり怒りまくった後(笑)に落ち着きを取り戻して代用案を考えます。

原型があればそれを元にまたシリコン型を作れば済むのですが、原型が無い。

ところが、天は我を見放さなかった!A3の顔パーツの予備があった!

この予備ってのは最初にレジン化した際に、ほっぺたに微細なゴミが入ったやつをホクロにしてごまかしたもの(笑)で、これはこれでイイ感じなのですが、その次にできたやつが完璧だったのでそれを展示用(今回美術館で巡回してるやつ)にしてたわけです。

毎回RSHシリーズは最初のレジン化で、目立つ所にゴミや気泡が入ったりして完璧じゃないものもできてしまうので、その中でもなんとかごまかせるレベルのものはテスト用としての用途も兼ねて、展示用のものと同時に塗装してたりして、予備が誕生するわけです。

ちなみにこの予備顔パーツをそのまま今回のヒトガタ展に使えばいいじゃんと一瞬思いますが、首下パーツの予備は無いので(顔パーツが失敗したらもう一回顔パーツを複製するところからやり直すという工程なので)色味を統一することを考えると新規に複製しないと「顔と首下の色が微妙に違う」なんてことになってしまいます(複製時に毎回調色してるので色合わせるのはけっこう難易度高し)。

そんなわけでこの予備顔パーツは使用不可。

 

その予備顔パーツには出来損ないの眼球パーツと欠点なしの歯と舌パーツが入ってたので、この歯パーツをバラして新規に型取りしようというわけ↓

 

今まで一つのアンダーゲート経路で歯と歯茎の両パーツを流し込めるような型を作って、経路の分岐に2個のフタを設置して色違いの2パーツを作れるようにしてましたが、今回はフタ無しで両パーツを別々に流し込める型を作りました。

若干シリコン量が多く必要になりますが、このくらいの大きさならケチるほどの差は無いと判断。

型が完成してレジン流し込み時の様子↓

ほぼ気泡なしで抜けました。でも今考えたら上下逆にした方がランナー少なくて済んだかな…と反省。

急いで作ったから深く考えてなかったのが悔やまれます。

これで歯パーツ問題はクリアしたので次は眼球パーツ。

 

眼球パーツは顔パーツ等と同じレジン(ポリウレタン樹脂)で、ベースとなる白いパーツを複製してからそれを塗装して、その塗装済みのベースパーツをエポキシクリア樹脂に埋め込んで完成となるのですが、そのエポキシ樹脂というのが少々厄介なものでして、長期間保管しているとどうしても湿気を吸ったり紫外線を浴びたりしているので、混合すると発泡したり、色味が真っ黄色になったりします。

なので過去に使って余ってるものはいくら量があってもったいなくてもゴミ同然なので使えません。

しかし今回はヒトガタ展納品まであまり時間がなく、完全硬化に2日前後かかるエポキシ樹脂だと硬化後に失敗が判明してももう遅い、なんてことにもなりかねません。

そこで今回は顔パーツ等と同じ素材であるポリウレタン樹脂のクリアーを使用してみることにしました↓

2液性ポリウレタン樹脂なら混合後の硬化は数分で済むのでスピード勝負にはもってこいです。

でもいきなり本番使用で失敗したらせっかく時間かけて複製・塗装したベースパーツが水の泡となってしまうので、まずはテスト↓

んが〜ん…思い切り発泡。

多少発泡してもどうせ気泡は上の方(組めば見えない裏面になる)にしか出ないだろうと思ってましたが、ここでも嫌がらせのように一番重要な眼球先端部、つまり型の底に溜まってやんの!なんなのこの物理現象!気泡つったら普通上にいくもんでしょうに、なぜに底に溜まる?!

でもまぁテストして良かった。危うく骨折り損のくたびれ儲けになるとこだった(1,980円はドブ捨てだけど勉強代と考える)。

こういった2液性樹脂の多くは吸湿するとどんなに繊細に混合しても硬化時に発泡してしまうので、こうなると吸湿剤とかを添加しないと発泡現象は抑えられないわけですが、クリア樹脂の場合は吸湿剤を入れると白濁してしまうので、こうなったらもうGAME OVER。

買いたての新品でしたが、店舗の長期在庫だった商品はこのように最初から発泡してしまうことが多々あるのでクレーム対応してくれる所もあるかとは思いますが、もう面倒なのでこれは吸湿剤ぶっこんで半透明樹脂として利用することにします(そんな色の樹脂使うことあるかなぁ〜まぁいいや)。

流通の活発な売れ線のポリウレタン樹脂(ハイキャストのホワイト、アイボリー、ニューフレッシュあたり)は常に新鮮な在庫がある可能性が高いのでこんなに発泡することは稀だと思いますが、やはりポリウレタンのクリア樹脂は需要低いようです…炭酸ジュースのレプリカ作りたい人にはオススメ(笑)。

 

というわけで新たにこの樹脂を購入↓

ブレニー技研のGM-9050です。

以前の眼球パーツはデブコンETとか日新レジンのクリスタルレジン2を使っていたのですが、デブコンは少量のセットが無く、少量使用用途にはもったいない。ではクリスタルレジン2は…と探したらもう売っておらず、クリスタルレジンNEOってのがあったのですが、いつもお世話になってるショップでは売っておらず、上記のGM-9050を購入することにしました。

ブレニー技研といえば過去にポリパテ同士の離型に大活躍した「リケイザイNo.10」という離型剤を思い出しますが、2011年頃に急に離型効果がガタ落ちになってひどい目に会った(離型したかった箇所がガッチリ接着した)ことがありましたが、これはフロン規制に引っかからないように成分変更を余儀なくされたとかで、他社の離型剤も同じようなことになっていた時期がありまして、ブレニー技研だけが悪いってわけではないのですが、成分変更したことについて何の告知もされてなかったので、この件でクレームを入れたら「それはそれは・・・。」とかいって「申し訳ありません」の一言もなく「規制をクリアするために頻繁とも言える成分変更をしており今回もその一環で云々…」と細々説明してくれてはいるものの文章全体から「ポリパテ同士なんてこっちは想定してないのでそんな苦情言われても困るんだけど」みたいなニュアンスが漂っていました(鉄板とエポキシの離型ができればOKらしい)。

謝罪の言葉はこちらの使用法がイレギュラーだったということで無くてもいいんだけど、成分変更したら告知してよっていう話なんだよな〜(サイレント成分変更って商品売る立場としてどうなのよ?)。

そんなやり取りでちょっとムカついた経験がありましたが、成分変更する前のリケイザイNo.10は非常に素晴らしかったので、これも大丈夫だろうと購入。量も少なくて少量使用用途にはいい感じ。

今度は何度も使ってるエポキシ樹脂ってことで即本番使用↓

あれ!塗装が溶けてる…。

気泡の発生は皆無で粘度もかなり低く、その点は非常に使いやすかったのですが、瞳塗装が溶けちゃったのは残念。これは失敗。

まわりの血管表現としては溶けてるのも悪くないんですが、瞳まで溶けちゃうのは救いようがない。

過去に、自前でウレタン塗料用うすめ液で希釈したエポキシ樹脂(デブコンやクリスタルレジン2)で気泡対策した際に、塗装が溶けた事がありましたが、これはその時の事例とそっくりな現象です。

その時は商品そのままの状態では溶けなかったので、これはひょっとして溶剤で薄めてるのか…?と、いろいろ調べてみると自作ルアー関連の商品サイトに「粗悪なエポキシクリア樹脂だと溶剤で薄めているものがあり…」なんて書いてある…やっぱりこれ溶剤入ってるのか…ていうかまさかメーカーがそんな荒技やってるとは…。

悪口ばかり書きたくないので一応フォローのために書いときますが、侵される心配のない塗装が施された物や素材ならば、このGM-9050は気泡皆無でなかなか素晴らしいと思います。

硬化時間も丸1日で余裕で脱型できました(室温27℃前後。完全硬化はもうちょいかかるかと思います)。

 

しかし、こうなると塗装が溶けるのを食い止めるために何らかのコーティングが必須になるわけですが、耐溶剤性最強のウレタンクリアーだと完全硬化に最低1週間は置いとかないといけない(手で触れる初期硬化は1日も必要ないのですが、その状態で重ね塗りをすると硬化による収縮が原因で上塗り面がシワシワになったり大失敗する可能性大)ので現在のような時間が無い時では却下。

となると新たなコーティングを探さねば…と思いついたのがエナメル塗料(写真向かって左の2本)↓

向かって右の2本はついでにテストするために買ってきた水性アクリル塗料(今までの水性アクリルとはまた違う新型らしい)。

エナメル塗料はガンプラのスジ彫りの墨入れに使われることでご存知の方も多いかと思いますが、エナメル系溶剤はラッカー系塗料を侵さないのでラッカー塗膜の上で好き勝手できるわけです。

そんな感じでエナメルコートしとけばラッカーを溶かすエポキシ樹脂も通用しないかも?という全くのいいかげんな発想でトライ。

コーティングはエアブラシで厚めに吹いたつもりでしたが…↓

やっぱり溶けた。今軽く調べたらエナメルはラッカーに侵されるんだそうで、ラッカーに侵されるんならエポキシには耐えられるわけないか。エナメルの耐溶剤性は高くないみたいです(最初に調べときゃよかった…)。

でもよく見たら瞳の溶けた部分はまぶたに隠れる部分だけっぽいので、もしかしたら使えるかも…と思いましたが、表面つや消しになってるし(磨かなきゃいけない)いっその事ここは気合入れて型から作り直してエポキシ樹脂も別のやつ買うことにしました。

ちなみに上記の新型水性アクリルは、専用うすめ液で薄めてエアブラシで吹いてみましたが、いつまでたっても乾燥せず、丸1日経ってつや消し表面になったので乾燥したのかと思って触ってみたらまだ乾燥してませんでした。薄め過ぎたのかな?

原液筆塗りならいけるのかな?とも思いましたが、なんか失敗するのが見え見えな気がしたので諦めました。

 

今度は信頼性の高そうなタミヤのエポキシ樹脂をアマゾンでポチ。

それが届くまでは他の作業です。

新規のクリア型作り↓

この母型は過去に作っておいたレジン製のもの(この母型の製作記事はコチラ)。

これにシリコンを流し込むだけでテカテカクリア面ができる型が作れます。このシリコン型を4個作ります。

ちなみに先程まで使用してた型も最初はテカテカだったのですが、何度も使用したことと、長期間にわたる放置によってシリコン表面が劣化していたためツヤ消しになっていたものと推測。

 

あと残す作業は、本体の塗装を完了させて、まつげ植毛して、ウィッグ散髪して、収納BOX作って、インスト作って…間に合うのか?

 

ちなみにこの記事のタイトルはエポキシ樹脂にサイレント混合されてた溶剤に対する怒りから思いついたもの。スティーブン・セガールさんの沈黙シリーズっぽくなりました(笑)。

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