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2014.08.11 Monday

1/6ヘッド 第5話「塗装見本完成」

今日は…あーもう昨日でした。10日はお客様がいろいろ質問したいことがあるとのことで、渋谷のBunkamuraギャラリーにて現在開催中の「人形偏愛主義」へ行ってきました。
ぼくの出展は急遽決まったということもあり、今回RSHの展示はいろいろ訳あって見送りとなりましたが、お客様はRSHについて聞きたそうだったのでRSHを持って行きました。
主催者様のご厚意で会場内のテーブルでRSHを展開して、お客様にじっくり見ていただきながらいろいろお話しましたが、他のお客様もお話に加わったりして、非常に楽しい時間を過ごすことができました。
お客様も大変喜んでくれまして、こちらも非常に嬉しかったです。
自分で「いいもんができた!」と思えることも嬉しいですが、やはりお客様に絶賛されるのは至福のひとときであります(笑)。

そんな感じでモチベーションもグイッと上がったところで型取りした4型文鳥ヘッドの作業を進めまして、先ほど塗装見本が完成しました。
以下は前回の記事の続きである、型取り以降の作業です。

前回は粘土埋めの写真が最後でしたが、そこに型取り用シリコン(正しくはシリコーン)を流し込んで顔パーツと後頭部パーツ用の型を完成させまして、ナイフで湯口(レジンを流す経路)を作ったとこまでワープ↓

赤い矢印が注入口、青が排気口。
真空・遠心注型器を用いない場合(つまり手流し)の複製型の形としては「アンダーゲート式」というのがありまして、これはパーツの下からレジンが注入される経路の型で、複雑な形状の原型を複製する際に有効な方法なんですが、レジンを注ぎ込むのは上面なわけなので、上面からパーツの下まで潜り込む経路が必要になり、その分シリコン型の大きさが必要になります(流し込むレジンもその分増える)。
なので、貧乏性…いや、エコノミー&エコロジーなぼくとしては極力材料を節約できる型を作ります。
簡単に言うとパーツをアンダーゲートの一部と考えてルートを構築するわけです。
今回のように小さくてシンプルな形状のパーツならこれでも全然キレイな複製ができます。
ただ、レジンを混合する際にはなるべく泡立たないようにかき混ぜて、レジンを流し込む際にも気泡を入れないように注意します。

複製型で重要なのは
★気泡の抜けが良いこと
★型ズレが起きにくいこと
の2点だと思いますが、気泡の抜けは気体と液体の振る舞いを考えながら原型の配置や角度、湯口の経路を設定すればいいわけですが、たまに流体力学の神秘みたいな現象で謎の気泡ができたりします。
しかしこのヘッドのようなシンプルな形状ならそれほど難しくはありません。

型ズレへの対処はダボの形状や位置、そしてクランプ(型を挟む方法)の圧力加減で決まります。
今回のヘッドでは顔パーツの周りに小さいダボをプチプチ打つのを忘れてしまいましたが、クランプ圧力をそれほど高くしなかったせいか、全然ズレませんでした(後頭部パーツの方には忘れずに打ちました)。
クランプ圧力は高過ぎると型が潰れて型ズレを起こす原因にもなるし、ヘタするとパーツの形状が歪む可能性もあります。
逆に圧力が低すぎるとパーティングラインにバリができたり、最悪の場合はレジン漏れを起こします。

そんな感じで型が出来上がったら早速注型↓

厚みのある方が顔パーツの型。
ぼくが普段やってるクランプは板で挟んで輪ゴムで留める方法です。
大きな型になるとFRPの裏打ち材をボルトで締めたりするようです。
この型では使いませんでしたが、これより大きい型の場合、注入口に漏斗(100均の軟質ポリ素材の醤油差しを改造したもの)を差し込めるようにしておくと、一気にレジンを流し込めて気泡が入りにくくなり(漏斗に溜まったレジン上部に気泡が集まるため)早く注入できるので途中で硬化が始まってしまうトラブルも防げます。
ちなみにこの型の場合、レジン注入速度が遅いせいか気泡が内部に留まってしまう(恐らく顔パーツのアゴから首下あたりの広い面積のルートで、気泡の横からレジンがすり抜けていったと考えられる)ようなので、手で板をグニグニ揉んで気泡を追い出しました。

無事脱型完了↓

これが抜いた直後の状態。
耳のあたりはかなり強引な形状の型でしたが、なんとかズレずに複製できたようです。
ちなみに使用したレジンは平泉洋行のハイキャストミニ(ソルベントナフサ)ニューフレッシュに、レジン用着色剤の青(Mr.キャストナーリキットのシアン)を微量添加して赤味を抑えたもの。色白っぽい肌色になりますが青が多いとベージュみたいになります。
レジンはキシレン成分の少ないのが絶対的にオススメ(ソルベントナフサがそうらしい)。
小学2年生からガンプラ始めて有機溶剤に慣れきったぼくでもキシレンはヤバかったです。

今回の塗装見本は初代文鳥ヘッド(オビツ21-03ヘッド)を画像検索してたくさん見つけた上手なカスタムヘッドの塗装に触発されて、ぜひともマネしたくなったので2個抜いて、一つは今まで通りの普通っぽいメイク、もう一つはいかにもドールらしい、まつげの長い、濃いメイクにチャレンジしてみます。
でもその前に、販売しない塗装見本とはいえヘッドだけではなく、ボディにくっつけて確認できるようにしたいので、首下に穴をあけて接続部分を作ります↓

やり方としてはヘッド首下に穴をあけて、内部にゴムのホルダーを接着するわけですが、このゴムホルダーをどうするかと考えて、思いついたのがバイク工作や電気配線工事なんかでよくお目にかかるゴムブッシュ。
それを一部カットしたりして接着しました(ヘッドにあけた穴の径が微妙に違くてブッシュも違うタイプになってしまいました)。
ボディは個人的に一番好きなスタイルのモモコボディですが、首接続パーツは一部削って脱着しやすくしてます。

接続部ができたらいよいよお楽しみの塗装工程です。
顔の造形も楽しいのですが、それを塗装するのもまた楽しいです。
まゆげの位置や形だけでも全然印象が変わるので、未知の魅力を引き出せるのではないかというワクワク感があります。
まずは普通っぽい感じで…と思ったら左目の上まぶた内部に小さい気泡があって、その中にアイラインの黒が入り込んで透けて、まぶたが一部黒ずんでしまった(泣)のでやむなく濃いメイクに変更↓

1:濃いバージョンはカッコいい感じがいいな…とフリッカーで見つけたガイジンさんのカスタムを参考にベースを面相筆で描きます。
眉毛は水彩色鉛筆をうすめ液でぼかす法。精悍でありつつ男らしくならないようにしました。
2:アイシャドウはやはりムラのないエアブラシの細吹きでしょ〜新しいブラシだからもう細吹きも怖くないぜ!と勇み足で吹いたら塗料が濃かったようで、ダマが出てしまった…しかもなんか左右バランスもおかしいし〜(やっぱ細吹きムズいっす…)。
3:目周辺だけ洗浄してもう一回やり直しだ!とツールウォッシュを入れた皿の上でヘッドを持って平筆でメイクを落としてたら、手が滑って皿の中に落下…ロス・ロビンソン プロデュース的な、ラウド&ノイジーな曲が聞こえてきそうなメイクが完成〜(泣)。
4:しょうがないので全落とし。赤味は染料系塗料で染まっているのでうっすら残ってます。眉毛はもっとこすれば落ちますが、変更しないのでこの上から再メイク。

やっぱ細吹きはもっと経験値稼いでからじゃないと扱えないな!と、まるで自分のレベルが低いとすぐスタミナが底をついてしまう攻撃力バツグンの武器のような(出典:ドラゴンズドグマ・ダークアリズン)言い方ですが、ホントよ〜く練習してからじゃないと無理だわ…。
…というわけで、あっさりエアブラシは諦めて筆だけでシャドウを入れる方法を考える…あ、そうだ眉毛と同じ水彩色鉛筆でやってみよう↓

なんとか上手くいった…のかなぁ?
写真で見る分にはいい具合にムラ無くシャドウがかかったように見えますが、なんか薄汚れてるだけのような気もなきにしもあらず。
濃さもイマイチ薄いよなぁ。まぁこれ以上やると恐らくまた失敗しそうな予感がするので濃いバージョンはこれにて終了。

次は毎度おなじみな感じのあっさりメイクですが、毎度おなじみとはいえ、過去と同じような塗り方では進歩も無いし、そもそも過去の塗装はショボすぎる気がするので(メイク上手い人の見たら自分の塗装はまだまだだな〜と思い知った)今までとはちょっと違う感じで塗ろうと思います↓

1:頬と鼻先のほんのり赤味は恒例として、今回は目周辺をかなりドール的な感じにすべく、まつげを長く濃く描いて、アイラインも黒だけでなく赤味を足した茶色っぽい色で、今までの塗装より派手に入れてみました。
黒塗料(顔料系)と違ってクリアーレッドを使った茶色なので、ボカしが簡単でした(もしかしてアイシャドウも染料系にすれば簡単なのかな?)。
2:眉毛は濃いバージョンとは対照的にカワイイ感じの垂れ眉にしました。唇はもうちょっと濃くしました。
3:肌色が色白過ぎたので、クリアー肌色(クリアー系のオレンジをベースに赤・青・黄で調色)を全体に吹いて肌色を調整。
4:クリアー肌色を吹いたらテカテカになってしまったので、スーパークリアーつや消しでツヤ調整。鼻先や頬で微妙に吹く量を変えて部分的にツヤの具合を変えてます。

完成した塗装見本に8mmドールアイを入れて、モモコボディに装着してみました↓

これは濃いメイクバージョン。
顔の肌色調整してなかったのでかなり色白ですが、ちょっとだけゴスっぽい濃いメイク(のつもり)なので、色白の方がいいかなとこのままにしました。したがって健康的な色味のモモコボディと色が合わなかったので、フォトショでボディの色を調整してあります。
ボサボサウィッグはご愛嬌…っていうか、他のドールアイとかウィッグが行方不明だったのでこれしかなかった…瞳色の薄いドールアイ試したかったのに〜。

そして普通っぽいメイクバージョン↓

写真の撮り方のせいか、ドールアイのセット角度のせいか、白目がかなり影ってしまったので自作アイも試してみました↓

このメイクの場合はもうちょい瞳の小さいアイの方が良さげ。ていうか、この自作アイも瞳デケェな。
瞳サイズの違う自作アイを何個か色変えて作ろうかな。

2型、3型と作ってきましたが、やっぱこの最新の4型が一番いい感じかも。2型3型はダーターでオビツさんにあげちゃおうかな。
ちなみにソフビの初代文鳥ヘッドとの比較はこんな感じ↓

向かって一番左のアイが入ってないのが初代。真ん中が4型の濃いメイク、右が4型普通メイク。
後頭部パーツの大きさがちょっと違いますが、その辺はオビツさんの判断に委ねましょう(初代のそのまま流用できそうだし)。
顔パーツの大きさは4型の方が目袋とこめかみのクリアランスにゆとりを持たせた(ソフビ製造時の抜きやすさを考慮した)ので少し幅広ですが、それ以外はほぼ同じくらいです(ソフビ化したら若干縮むかも)。

というわけで、やっと満足いく文鳥ヘッドの仲間ができたので、あとは原型をソフビ用に改造してサフ処理してオビツさんに持って行こう…その前にアポとらなきゃいかんな。ひょっとして今夏休みかな?
コメント
こんにちは、急なコメントすみません。
検索からこちらのブログに来たのですが、この記事の新しいヘッドが気になっています。イベントやメーカーさんなどでの販売予定はないのでしょうか?
  • さくま
  • 2017.05.15 Monday 21:00
>さくま様
どうもはじめまして。
そういえばこのヘッドの後日談を書くの忘れてました…気づかせていただきありがとうございます(笑)。
実はこの記事を書いたしばらく後に開催されたワンダーフェスティバルというフィギュア系イベントで、オビツさんのブースに持っていって過去お世話になったKさんに渡そうとしたんですが、ぼくのこと完全に忘れているような雰囲気で(笑)受け取ってくれなかったんで(そもそも持ち込み企画的なことは受けてないらしい)この一連の新ヘッドはまた別のメーカーさんに委ねようと思っていながら長い年月過ぎちゃってました。
今のところ発売予定は決まってませんが、近いうちに上記のメーカーさんに会う予定があるので、その際に発売できるか打診してみたいと思います。
今後なにか進展があり次第、こちらのブログやトリブレインのHP(http://www.h2.dion.ne.jp/~bunchow/)にてお知らせいたしますのでご期待ください。
  • 文鳥
  • 2017.05.15 Monday 21:41
遅くなりすみません、またお返事ありがとうございます。
キャストドールに比べると6分の1ドールはなかなか新作ヘッドという物が出ませんので、制作している方には本当に頭の下がる思いです…。
量産化となると色々とハードルがあるんだと思いますが、朗報お待ちしております。
  • さくま
  • 2017.05.17 Wednesday 21:34
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