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2017.07.24 Monday

商品量産中

ここ数日は比較的涼しくて冷房の必要が無くて助かります。

さて、7月30日開催のワンフェスで発売する新型1/6ヘッドですが、只今量産真っ最中でございます↓

今回はテスト販売の意味も込めて自前量産です。

自前生産といえば、時々発現する色ムラ現象(レジンの色がまだらになる)というのがありまして、過去の自前生産キットであるひなたのひなちゃん以前のキットでは、もしかしたらこうした症状が発現しているものもあったかも…というか実際ありました。

この症状が発覚したのはアスカとレイのキットの完成品制作依頼を受けた時でした。

レイの肌色パーツ(顔)に思いっきりレジンが流れた跡そのままのムラが…普通こんなムラが出ていたらすぐわかるので、キット梱包時にはこんなパーツはNGにするはずなんですが、なぜなのか…といろいろ調べると、型から抜いた直後からしばらくは何も問題ないようでも、恐らく揮発成分が抜けきった頃に発現するのではなかろうかということで、上記過去の自前量産キットでは販売後に症状が出ているものもあったと推測されます(そういうキットを買ってしまったお客様にはなんとお詫びしてよいやら…)。

 

それで、この完成品ご依頼キットのクソ色ムラ現象を解決する方法として考えたのが「昔の型を使って改めてパーツを複製する」ということだったんですが、これが何度やっても色ムラが出るという悪夢のような仕打ち。

その型を調べると表面が硬く茶色に変質・変色していました。

それで当時のぼくは「恐らく型表面が硬化したことによって熱伝導効率が極端に変化して、レジンの硬化に何らかの異常を与えたのではないか」ということで、肌色パーツは新たに型を作り直してパーツを複製して解決させました。

型から抜いて完成まで何日か経ってもムラは出なかったので、恐らくこの完成品は大丈夫だと思いますが、つい先日この色ムラに関する新たな情報をつかみました。

なんと、型を40〜50℃くらいに加熱してから注型すればこのクソ現象は起きないとのこと。

なにそれ〜!全く逆に冷やした方がいいのかと思ってた。

過去のエヴァ2体は売れ行きが良くて1個の型で200個近く抜いたのですが、最初の頃に抜いたもの(展示見本)は今もムラがほとんど出ていないことを考えると、何個も連続で抜いて加熱した型の方が悪影響出そうな気がしたんですが…いったいどういう理屈なのか。

 

とにかく今回のワンフェスで売る1/6ヘッドはこのクソ色ムラ現象を絶対に起こしてはならないので、信憑性が高そうな型加熱法を採用してみることにしました。

とはいえ、どうやって40〜50℃に加熱するのかとしばらく考えました。

すぐ思いつくのは定温庫ですが、これはいくら検索しても業務用の何万〜何十万円のものばかりしか出てこないので、他の方法を探ります。

いろんなワードで検索してると「冷温庫」というものを発見。

見てみると小さなポータブル冷蔵庫みたいなもので、仕組みはペルチェ素子を使ったものなので室温に左右されるらしく、レビューを見てみるとあまりいいものではなさそう。あまり高温にもできなそうなのでこれは無し。

次に思いついたのがプラモの塗装用としてバカ売れしているという食器乾燥機。

値段も数千円で買えるのですが、けっこうデカい上に温度も一定にはできない。

ぼくの部屋はアポロ宇宙船内のような狭さなのであまりデカいものは置きたくないし、温度を一定に保てないのも難あり。

そんなこんなで最終的に行き着いたのがヨーグルトメーカー↓

温度調節は25〜70℃で固定可能で、大きさもそれほどデカくもなく、かといって小さすぎて型が入らないというほどでもない。

お値段は送料無料で10,800円とそれほど高価ではなくて一安心。

中にはフタ付きプラ容器もセットできて他の用途にも使えそう(いやだからヨーグルトメーカーなんだってば)。

時間もあまり無いので早速ポチって昨日(22日)到着。

いざ使ってみると内部は数分でかなりの温度まで上昇して、長々待つ必要もありませんでした。

とはいえ型の中まで加熱できないとダメなので、型を入れてから飯でも食って1時間くらい経って中に手を入れてみると見事にホッカホカに加熱されていました↓

ヘッド型がちょうどいいサイズ(豆腐じゃないよ)。

今度から小物はなるべくこの容器に入るサイズで型作りしよう。

ちなみに写真に写っる内部容器のサイズは約13cm径で深さは内部容器のフタを取って外フタを閉めた場合は13.4cmくらい。

内部容器を無くせば径は5mmくらい増加しますが底面は発熱せず、底面中央にある突起によって内部容器が宙に浮いて底面にも加熱された空気が行きわたるようになっているので、内部容器を入れた方が全面を加熱させることができるようです。

 

というわけで、現在このシステムで鋭意量産中です。

ちなみに今回発売する1/6ヘッドは、過去の記事にある「文鳥ヘッド4型」となります。

キット内容としては、ゴムのグロメット(サイドに溝の付いたドーナツみたいなパーツ)がハマるように作ってあるので、多少ボディ側のジョイントの太さが違ってもしっかり取り付けできるように考慮しました。

もちろん商品にはグロメットも付属します。

さらに些細なことですが、顔表面は細かい梨地仕上げで、鼻筋と唇には若干のツヤを出しているので、厚塗り塗装をしなければこのままリアルな質感が表現されるかと思います↓

これは型取り前の原型の写真です。鼻筋と唇のツヤがわかるかと思います。

 

過去の記事で作った試作ヘッドですが、オビツ24ボディに付けた状態はこんな感じです↓

大きさのバランスはちょうどいい感じになったかと思います。

それにしてもこの24ボディ、昔のオビツボディと比べるとすっごくイイ造形になりましたね〜。

このヘッドは過去の記事で制作した試作品なので首の穴はワンオフ制作ですが、今回発売するキットも同じような位置に取り付けることができます。

後日またキットを使った完成見本ができましたら記事をアップする予定ですので、制作過程等の詳細はまたその時にでも。

 

最後にもひとつ、新型ヘッドをもう一個製作中です↓

口の中に歯が入るタイプになります(半開きな口にする予定)。

でもこれはさすがに間に合わないかな〜。

2014.08.11 Monday

1/6ヘッド 第5話「塗装見本完成」

今日は…あーもう昨日でした。10日はお客様がいろいろ質問したいことがあるとのことで、渋谷のBunkamuraギャラリーにて現在開催中の「人形偏愛主義」へ行ってきました。
ぼくの出展は急遽決まったということもあり、今回RSHの展示はいろいろ訳あって見送りとなりましたが、お客様はRSHについて聞きたそうだったのでRSHを持って行きました。
主催者様のご厚意で会場内のテーブルでRSHを展開して、お客様にじっくり見ていただきながらいろいろお話しましたが、他のお客様もお話に加わったりして、非常に楽しい時間を過ごすことができました。
お客様も大変喜んでくれまして、こちらも非常に嬉しかったです。
自分で「いいもんができた!」と思えることも嬉しいですが、やはりお客様に絶賛されるのは至福のひとときであります(笑)。

そんな感じでモチベーションもグイッと上がったところで型取りした4型文鳥ヘッドの作業を進めまして、先ほど塗装見本が完成しました。
以下は前回の記事の続きである、型取り以降の作業です。

前回は粘土埋めの写真が最後でしたが、そこに型取り用シリコン(正しくはシリコーン)を流し込んで顔パーツと後頭部パーツ用の型を完成させまして、ナイフで湯口(レジンを流す経路)を作ったとこまでワープ↓

赤い矢印が注入口、青が排気口。
真空・遠心注型器を用いない場合(つまり手流し)の複製型の形としては「アンダーゲート式」というのがありまして、これはパーツの下からレジンが注入される経路の型で、複雑な形状の原型を複製する際に有効な方法なんですが、レジンを注ぎ込むのは上面なわけなので、上面からパーツの下まで潜り込む経路が必要になり、その分シリコン型の大きさが必要になります(流し込むレジンもその分増える)。
なので、貧乏性…いや、エコノミー&エコロジーなぼくとしては極力材料を節約できる型を作ります。
簡単に言うとパーツをアンダーゲートの一部と考えてルートを構築するわけです。
今回のように小さくてシンプルな形状のパーツならこれでも全然キレイな複製ができます。
ただ、レジンを混合する際にはなるべく泡立たないようにかき混ぜて、レジンを流し込む際にも気泡を入れないように注意します。

複製型で重要なのは
★気泡の抜けが良いこと
★型ズレが起きにくいこと
の2点だと思いますが、気泡の抜けは気体と液体の振る舞いを考えながら原型の配置や角度、湯口の経路を設定すればいいわけですが、たまに流体力学の神秘みたいな現象で謎の気泡ができたりします。
しかしこのヘッドのようなシンプルな形状ならそれほど難しくはありません。

型ズレへの対処はダボの形状や位置、そしてクランプ(型を挟む方法)の圧力加減で決まります。
今回のヘッドでは顔パーツの周りに小さいダボをプチプチ打つのを忘れてしまいましたが、クランプ圧力をそれほど高くしなかったせいか、全然ズレませんでした(後頭部パーツの方には忘れずに打ちました)。
クランプ圧力は高過ぎると型が潰れて型ズレを起こす原因にもなるし、ヘタするとパーツの形状が歪む可能性もあります。
逆に圧力が低すぎるとパーティングラインにバリができたり、最悪の場合はレジン漏れを起こします。

そんな感じで型が出来上がったら早速注型↓

厚みのある方が顔パーツの型。
ぼくが普段やってるクランプは板で挟んで輪ゴムで留める方法です。
大きな型になるとFRPの裏打ち材をボルトで締めたりするようです。
この型では使いませんでしたが、これより大きい型の場合、注入口に漏斗(100均の軟質ポリ素材の醤油差しを改造したもの)を差し込めるようにしておくと、一気にレジンを流し込めて気泡が入りにくくなり(漏斗に溜まったレジン上部に気泡が集まるため)早く注入できるので途中で硬化が始まってしまうトラブルも防げます。
ちなみにこの型の場合、レジン注入速度が遅いせいか気泡が内部に留まってしまう(恐らく顔パーツのアゴから首下あたりの広い面積のルートで、気泡の横からレジンがすり抜けていったと考えられる)ようなので、手で板をグニグニ揉んで気泡を追い出しました。

無事脱型完了↓

これが抜いた直後の状態。
耳のあたりはかなり強引な形状の型でしたが、なんとかズレずに複製できたようです。
ちなみに使用したレジンは平泉洋行のハイキャストミニ(ソルベントナフサ)ニューフレッシュに、レジン用着色剤の青(Mr.キャストナーリキットのシアン)を微量添加して赤味を抑えたもの。色白っぽい肌色になりますが青が多いとベージュみたいになります。
レジンはキシレン成分の少ないのが絶対的にオススメ(ソルベントナフサがそうらしい)。
小学2年生からガンプラ始めて有機溶剤に慣れきったぼくでもキシレンはヤバかったです。

今回の塗装見本は初代文鳥ヘッド(オビツ21-03ヘッド)を画像検索してたくさん見つけた上手なカスタムヘッドの塗装に触発されて、ぜひともマネしたくなったので2個抜いて、一つは今まで通りの普通っぽいメイク、もう一つはいかにもドールらしい、まつげの長い、濃いメイクにチャレンジしてみます。
でもその前に、販売しない塗装見本とはいえヘッドだけではなく、ボディにくっつけて確認できるようにしたいので、首下に穴をあけて接続部分を作ります↓

やり方としてはヘッド首下に穴をあけて、内部にゴムのホルダーを接着するわけですが、このゴムホルダーをどうするかと考えて、思いついたのがバイク工作や電気配線工事なんかでよくお目にかかるゴムブッシュ。
それを一部カットしたりして接着しました(ヘッドにあけた穴の径が微妙に違くてブッシュも違うタイプになってしまいました)。
ボディは個人的に一番好きなスタイルのモモコボディですが、首接続パーツは一部削って脱着しやすくしてます。

接続部ができたらいよいよお楽しみの塗装工程です。
顔の造形も楽しいのですが、それを塗装するのもまた楽しいです。
まゆげの位置や形だけでも全然印象が変わるので、未知の魅力を引き出せるのではないかというワクワク感があります。
まずは普通っぽい感じで…と思ったら左目の上まぶた内部に小さい気泡があって、その中にアイラインの黒が入り込んで透けて、まぶたが一部黒ずんでしまった(泣)のでやむなく濃いメイクに変更↓

1:濃いバージョンはカッコいい感じがいいな…とフリッカーで見つけたガイジンさんのカスタムを参考にベースを面相筆で描きます。
眉毛は水彩色鉛筆をうすめ液でぼかす法。精悍でありつつ男らしくならないようにしました。
2:アイシャドウはやはりムラのないエアブラシの細吹きでしょ〜新しいブラシだからもう細吹きも怖くないぜ!と勇み足で吹いたら塗料が濃かったようで、ダマが出てしまった…しかもなんか左右バランスもおかしいし〜(やっぱ細吹きムズいっす…)。
3:目周辺だけ洗浄してもう一回やり直しだ!とツールウォッシュを入れた皿の上でヘッドを持って平筆でメイクを落としてたら、手が滑って皿の中に落下…ロス・ロビンソン プロデュース的な、ラウド&ノイジーな曲が聞こえてきそうなメイクが完成〜(泣)。
4:しょうがないので全落とし。赤味は染料系塗料で染まっているのでうっすら残ってます。眉毛はもっとこすれば落ちますが、変更しないのでこの上から再メイク。

やっぱ細吹きはもっと経験値稼いでからじゃないと扱えないな!と、まるで自分のレベルが低いとすぐスタミナが底をついてしまう攻撃力バツグンの武器のような(出典:ドラゴンズドグマ・ダークアリズン)言い方ですが、ホントよ〜く練習してからじゃないと無理だわ…。
…というわけで、あっさりエアブラシは諦めて筆だけでシャドウを入れる方法を考える…あ、そうだ眉毛と同じ水彩色鉛筆でやってみよう↓

なんとか上手くいった…のかなぁ?
写真で見る分にはいい具合にムラ無くシャドウがかかったように見えますが、なんか薄汚れてるだけのような気もなきにしもあらず。
濃さもイマイチ薄いよなぁ。まぁこれ以上やると恐らくまた失敗しそうな予感がするので濃いバージョンはこれにて終了。

次は毎度おなじみな感じのあっさりメイクですが、毎度おなじみとはいえ、過去と同じような塗り方では進歩も無いし、そもそも過去の塗装はショボすぎる気がするので(メイク上手い人の見たら自分の塗装はまだまだだな〜と思い知った)今までとはちょっと違う感じで塗ろうと思います↓

1:頬と鼻先のほんのり赤味は恒例として、今回は目周辺をかなりドール的な感じにすべく、まつげを長く濃く描いて、アイラインも黒だけでなく赤味を足した茶色っぽい色で、今までの塗装より派手に入れてみました。
黒塗料(顔料系)と違ってクリアーレッドを使った茶色なので、ボカしが簡単でした(もしかしてアイシャドウも染料系にすれば簡単なのかな?)。
2:眉毛は濃いバージョンとは対照的にカワイイ感じの垂れ眉にしました。唇はもうちょっと濃くしました。
3:肌色が色白過ぎたので、クリアー肌色(クリアー系のオレンジをベースに赤・青・黄で調色)を全体に吹いて肌色を調整。
4:クリアー肌色を吹いたらテカテカになってしまったので、スーパークリアーつや消しでツヤ調整。鼻先や頬で微妙に吹く量を変えて部分的にツヤの具合を変えてます。

完成した塗装見本に8mmドールアイを入れて、モモコボディに装着してみました↓

これは濃いメイクバージョン。
顔の肌色調整してなかったのでかなり色白ですが、ちょっとだけゴスっぽい濃いメイク(のつもり)なので、色白の方がいいかなとこのままにしました。したがって健康的な色味のモモコボディと色が合わなかったので、フォトショでボディの色を調整してあります。
ボサボサウィッグはご愛嬌…っていうか、他のドールアイとかウィッグが行方不明だったのでこれしかなかった…瞳色の薄いドールアイ試したかったのに〜。

そして普通っぽいメイクバージョン↓

写真の撮り方のせいか、ドールアイのセット角度のせいか、白目がかなり影ってしまったので自作アイも試してみました↓

このメイクの場合はもうちょい瞳の小さいアイの方が良さげ。ていうか、この自作アイも瞳デケェな。
瞳サイズの違う自作アイを何個か色変えて作ろうかな。

2型、3型と作ってきましたが、やっぱこの最新の4型が一番いい感じかも。2型3型はダーターでオビツさんにあげちゃおうかな。
ちなみにソフビの初代文鳥ヘッドとの比較はこんな感じ↓

向かって一番左のアイが入ってないのが初代。真ん中が4型の濃いメイク、右が4型普通メイク。
後頭部パーツの大きさがちょっと違いますが、その辺はオビツさんの判断に委ねましょう(初代のそのまま流用できそうだし)。
顔パーツの大きさは4型の方が目袋とこめかみのクリアランスにゆとりを持たせた(ソフビ製造時の抜きやすさを考慮した)ので少し幅広ですが、それ以外はほぼ同じくらいです(ソフビ化したら若干縮むかも)。

というわけで、やっと満足いく文鳥ヘッドの仲間ができたので、あとは原型をソフビ用に改造してサフ処理してオビツさんに持って行こう…その前にアポとらなきゃいかんな。ひょっとして今夏休みかな?
2014.08.06 Wednesday

1/6ヘッド 第4話「作業再開」

4月16日の記事を最後にその後の情報がぱったり途絶えた新型1/6ヘッドですが、約4ヶ月ぶりに作業再開です。
ブランクが空いたのは、展覧会やワンフェスや等身大ドールの仕事があったためです…ゲームで廃人になってた期間もあるけど…
ワンフェスも終わり、時間的ゆとりも多少増えたことに加え、ワンフェス行った後には毎回創作意欲が盛り上がるというわけで、そろそろ1/6の新作フィギュアでも作ろうと思ったと同時に「あそうだ1/6ヘッドが先だ」と思い出したので(忘れてたわけではない)新作フィギュアの前に1/6ヘッド3個を完成させることにしました。

前回は新型ヘッドの「2型」「3型」が納品可能状態まであと少し、4型がクレイ原型完成の段階でした。
まずは4型から。
クレイ原型を型取りしてからポリパテ化↓

ポリパテは超微細な切削が可能なので、仕上げ状態にするにはもってこいの素材です(盛り付けに硬化時間が必要なのが短所)。
他の作家さんはわかりませんが、ぼくはポリパテ無しでは仕上げることはできません。

ポリパテ化したヘッドはレジン製の塗装見本も作っておきたいので(ガレージキット化する場合も考えられるので)ドールアイを仕込めるように裏側も整形します。そのための後頭部切開↓

…まぁレジン化させないとしても、目周辺の仕上げ整形で目に穴があいてた方がやりやすいので結局毎回こうなるんですがね…。

後頭部を切開したら目の穴をあけます↓

表面からの穴あけと同時に目の裏側を、ドールアイが入るようにこの道具を使って整形↓

8mmボールカッターです。
長年使用してるので、もはや刃がすり減って切削能力ガタ落ち(バイク工作で金属にも使ったりしてるからかも)。
ちなみに普段作ってる1/6フィギュアは6mmボールですが、オビツさんからドールヘッド「21-03(文鳥ヘッド)」のご依頼を受けた時に「8mmアイを使いたい」とのことだったので、普段あまりデフォルメを強くかけない造形ばかりしていたぼくは「8mmなんてできるかな〜?」とちょっと不安でした。
そしていざやってみたらなかなかいいヘッドが出来上がりまして(自画自賛)それ以来1/6ドールは8mmで作ることにしてるんですが、文鳥ヘッドには6mmアイを使う方もいらして、それもなかなか魅力的(8mmより瞳が小さくなる=目線強調効果があるってことかな?)。
作った本人だけど6mm使うなんて全然思いつきませんでした。
ホントは同じ眼球サイズでも瞳の大きさや透明部分の厚みが違う、いろんなタイプのアイがあればいいんすけどね〜。

目の裏にボールカッターで球状のくぼみを作ったら、切削面をキレイに整形(気泡が出てくる場合もあるので)しつつ、正確な位置にアイが来るようにするためにポリパテを盛って離型剤を塗った8mmBB弾を位置調整しながらセットしてアイホールを作ります↓

BB弾の後ろに刺さっているアルミ棒は位置を微調整しやすくするためのツマミです。

ポリパテが硬化したら目の穴を整形↓

なんとな〜く目の周りの色が変色してるのは、切削能力ガタ落ちのボールカッターで強引に削ったため、摩擦熱で変質してしまったためと思われます。スゲー時間かかりました(新しいボールカッター買っとかないとな…)。

顔の裏を滑らかに整形したら後頭部との接続面も作り、離型剤を使って後頭部パーツにピッタリ合う接続面を作ります↓

こういう形状の離型が実はけっこう大変で、離型剤が塗ってあるとはいえその接着力はかなり強力で、小さい上に掴みどころの少ない形状だと全然力が入らず、何度もドライヤーで加熱して微妙に歪めたりハンマーで軽く叩いたりしてなんとか綺麗に剥がせました(今思いついたけど、それほど綺麗でなくても大丈夫な後頭部パーツに穴開けて引っ張りゃよかった気がする)。
この後、後頭部パーツもバリや鋭い部分を削る等、キレイに整形。

ここまでが4月の作業。
ここから仕事やらゲームやらでブランクが空いて、ついこの前のワンフェスを経て作業再開。
改めて4型ヘッドを見るともはや恒例のような左右非対称(許容範囲を超えたレベル)を発見したので修正↓

1:左目の下あたりがちょっとボコついてたのと、下唇形状のボリュームを極わずかに増量。
2:右目の形状が下がりすぎてたように見えたので修正。

そして次にレジン化のための型取りのためのサフ処理↓

この場合のサフ処理は塗装の食付き向上のための下塗りではなく、微細な凸凹を消すためのものです。
なので、サフ塗装後に「軽い力で」塗膜がなくなる寸前あたりまで研磨すると写真1のように微細な凹み部分には塗料が残り、凸部分の塗料はなくなる状態になります。
これを何度か繰り返すと凸凹の少ない表面になるわけですが(写真2が完成状態)人の顔は微細な凹凸が必要な部分もありまして、そんな場合はその形状に合った研磨をしないと、せっかく作った微細な3次元曲面も無駄になってしまうので要注意です。
でも大体、無駄な凸凹はなだらかな部分(おでことか頬等)に出やすく、重要な3次元曲面を作った部分は繊細に切削してるので、ほとんどサフ研磨処理しなくても大丈夫なくらいの出来だったりすることが多いです。
とはいえ無駄な凸凹が無くても、結局ヤスリ跡を消したり表面の質感を表現するのに必要となるので、面倒くさいけどサフ処理は必須の仕上げ作業です。

サフ処理ということで、4月に完成間近だった2型、3型ヘッドも同時に処理しちゃいます↓

2型(写真1)はレジン化させてませんが、面倒なのでこのまま納品します(この前段階での型取りはしてある)。
しかし、2型は目の穴が非常に狭いけどソフビ化できるかな?まぁ持ち込んだ時にでも聞いてみよう。
3型は塗装見本も作ったけど…なんかナマイキな顔というか、ヤンチャな顔というか、想定してたイメージとは違う出来になったな…カスタマーの皆様、製品化の暁には皆様の力でぜひ可愛くしてやってください(製品化されるかわからんけど)。

んで、4型ヘッドは現在レジン化のための型取り中↓

今ブログ書いてて思いましたが、せっかく修正した右目もまだ非対称だったことに気が付きました…レジン化終ったら再修正しとこうか…。

そして、日々の作業が終わった後に次の1/6フィギュアのネタとなる絵を描いてました。
次回作は前回の記事にあるように、ちょいエロスな感じでいこうかと思いますが、ワンフェスの成人限定ブースにならないように抑えつつ…って描いてみたらこんな感じになりました↓

ポージングがネコっぽくなったので、首に鈴つけたらちょっとアホ過ぎる衣装になったような…もうちょい考えなおした方がいいかな…。
どちらにしても、前回のプチエロ作であるイヴはポージングが寝姿だったので、設置する部分の造形がもったいない(ある程度平らにしなきゃならない)ってのと、展示スペース的に自由度が低かったのがいろいろ不便だったので、今回は立ち姿でいこうと思います。
あと、イヴやビキニンジャシリーズ(ひかりあずさつばめ)で使用したヒモビキニは組み立てが面倒なので異素材ヒモパーツを使わずに、なんとか「露骨じゃないけど、かなりエロス」を表現できたらいいなぁと思います。
2014.04.16 Wednesday

1/6ヘッド 第3話「帰ってきた創作意欲」

2月のワンフェスが終わってから早2ヶ月。
毎度のごとく、ゲーム三昧だったりバイクの改造を進めたりで道楽に日々を費やしてましたが、先日ゲームの方もやりたいことをやり尽くし、気温も高くなってきたのでバイクの改造に全神経を集中させようかと思った矢先、なにやら造形の仕事(ゲームもバイクも仕事みたいな言い方)が忙しくなりそうな予感がしてきたので、本格的に忙しくなる前に作業スペースを再構築(収納性能と作業スペースの拡大を図る)すべく、デカいエレクターをポチったりして今納品待ちなわけですが、エレクターが届く前になんかやっとこうかな〜と一瞬ゲームのコントローラーに伸びそうになった手を払いのけ、作業スペースの上にあったバイク部品を片付け、机の片隅でホコリをかぶっていた1/6ヘッドの原型を引っ張りだして作業を再開しました。

ちなみに以前の日記で「ワンフェスでオビツさんとこに持ってく」と宣言してた新1/6ヘッド2個ですが、結局ワンフェス当日持っていくのを忘れておりました…ていうか2番目のヘッド(塗装見本を完成させた方)のソフビ用原型を作るのも忘れてました。
つまり納品できる状態じゃなかったというオチ。もうアホすぎだろこの脳みそ。

そんな新型ヘッドを改めて観察してみると、最初のヘッド(以前の日記で大人顔ヘッドと呼んでましたが、文鳥ヘッド2型と改名)の口角にまだ変な影ができているのを発見したので早速パテで改修↓

以前にも口角改修してますが、その時は不自然な微笑が某国の整形顔っぽかったので埋めたわけですが、今回はビフォアーの赤矢印部分にある、不自然な凹みを埋めた改修です。
ビフォアーの写真だとイマイチわかりづらいですが、光のあたり具合によってはクッキリとヘの字ラインに影が出ました。
それが柔らかな感じに出るならまぁいいんですが、なんか妙にクッキリしてたので即改修。
なんで以前は気づかなかったんだろ?

もう一個の新型ヘッド「文鳥ヘッド3型」は特に直さなくていいかなと思ったので、顔パーツと後頭部パーツに分かれていた原型を一体化させてソフビ用原型にします↓

写真左:後頭部を接着する前に8mmBB弾を目の位置に接着。接着のために縁にポリパテを盛ってます。
写真右:後頭部合体。硬化前に誤って布団の上に落っことしてホコリだらけになってしまいましたが、硬化後に研磨するので問題なし。
ちなみに長いこと使ってなかったポリパテの硬化剤が湿気を吸ったのか、硬化時間が異様に長引いてしまいました。
これは硬化剤のチューブの口近くにある部分だけ吸湿していると思われるので、使用前にスパチュラ等の細い棒でかき混ぜてから使うべきでした。

そして、今回もう一個新たにヘッドを追加しようと思ったので、3型のクレイ原型を改造することにしました↓

これが3型ヘッドの元の状態。
長いこと机の片隅に放ったらかしだったため、ホコリだらけ…(たぶんサーフェイサーの研磨粉末がほとんどだと思う)。

まず3型のツリ目を変更開始↓

ツリ目の3型もバリエーションとして有りだと思うのでボツにはしませんが、今のぼくの気分はツリ目ではないのです(気まぐれ)。

次に口表情の変更↓

3型の口は実は現行リカちゃんの微笑を意識してみたんですが、今見ると能面効果(いろんなシチュエーションに合う表情)が得られないような感じだったので、少し口角をおとなしくさせます(歴代リカちゃんヘッドって人形として優秀な表情だなぁと痛感)。

各部を微調整してみたら、これだけの改修でけっこういい感じになりました↓

3型からほんの少ししかいじってませんが目元がけっこう変わったように思えるし、なによりけっこういい顔になったように思えたのでここでポリパテ化させるべく型取りします↓

何度も型取りするだろうと思ってバラさずに取っておいたブロック型枠を再利用。
このヘッド(文鳥ヘッド4型)も3型同様塗装見本を作りたくなったので、ポリパテ化の後にはレジン化させる予定。

という感じで結果的に3個の新型ヘッドを作りましたが、こうなってくるとボディも作りたい衝動に駆られます。
でもあまりのんびりしてるわけにもいかないので、一旦これらの新型ヘッドをオビツさんとこに持っていってから、ボディ制作にかかろうかな〜と画策してます。
神がかり的な早さでボディが完成したら1/6フィギュアの新作も作りたいとこですが…そう上手くはいかないんだろうなぁ。
今回の日記はここまで。
2014.02.06 Thursday

とりあえず完成・1/6ヘッド

1月13日から作り始めた新1/6ヘッドも、なんとか着色見本までできました↓

以下は前回の日記の続きです。

クレイヘッドから作った型ができました↓

ちなみに前回はクレイヘッドを粘土に埋めて型枠を組んだ状態で終了してました。
この型にポリパテを詰め込んでポリパテ原型ベースのできあがり↓

クレイ状態ではかなり滑らかな表面にできたと思ってましたが、ポリパテ化してみたらまだボコボコなのが一目瞭然。
これをペーパー(アシレックス粗目)でスムージングして形状を煮詰めていきます。


↑スムージングから後頭部の切開まで。
1:スムージング後。ちなみにこの段階でまゆげ周辺の骨格と小鼻の形状を若干変更してます。
2:各部の微調整。ホントはクレイでここまでやってりゃ楽なんだけど…ポリパテ化 してから気づく 改善点(五七五調)。
3:顔が大体できたので、顔裏形状を作るべく後頭部を切開。
顔裏形状製作は、ヘッドを顔パーツと後頭部パーツに分けて肉厚を薄くして、レジン化する際にレジン使用量を節約するためと、ドールアイを入れられるようにするための工程です。
ソフビ原型だけであればこの工程は必要なく、後頭部も眼球も一体成形で大丈夫なのですが、仮にオビツさんで製品化されなかった場合、自前でレジンキットを作る際に必要な工程でもあるし、なにより塗装見本も作って確認したいので、先にレジン化させようというわけです。

以下はその顔裏形状の整形以降の工程↓

1:目の穴をあけた状態。
2:8mmBB弾に3mmアルミ棒を挿して作った眼球パーツ原型に離型剤を塗布した後、ポリパテ盛って目の穴部分にセット。
3:眼球原型をはずして凸凹だった顔裏形状を整形していきます。
4:顔裏ができたら離型剤塗って、後頭部パーツの接続部にポリパテ盛って接合部を生成。この写真はポリパテ硬化後に表面を整形した状態。この後に後頭部パーツをパカッと剥がします。
ちなみにポリパテ同士の離型は、接着面積が大きかったり、接着保持力が高い場合は離型剤を塗っていてもなかなか剥がれないので、そういう場合はドライヤーで加熱すると剥がしやすくなります。
火傷するくらいの温度まで加熱しないと剥がれない場合もありますが、あまり加熱させすぎるとポリパテが軟化して形状が歪んでしまうこともあるので要注意です。

完成した接合面↓

このように原型を薄く(といっても簡単に歪まない程度の厚さで)作っておけば、レジン化する際もレジンを節約できるというわけです。
で、この顔パーツを毎度恒例サフ処理して型取りです(後頭部パーツはウィッグかぶせたら見えなくなるのでサフ割愛)↓

シリコンも極力節約させるため、クレイヘッドをポリパテ化させるために作った型を流用します。
原型のはまっていた周辺だけをナイフでくり抜いて、ポリパテ原型をセットした後に粘土でスキマを埋めて合わせ面を作ります。
ちょっとややこしい話ですが、ソフビ原型を作る型とレジンキットを作る型両方を兼ねた作りにします。
つまり、顔表面と後頭部表面の型を作った後に、その型の裏型を取るわけです。
ソフビ原型を複製する際は表型だけで成形し、レジンキットを複製する際は裏型を組み合わせるわけです。
こうすることでさらにシリコンを節約できるという算段。

顔表面の型も同じくポリパテ化に使った型を流用↓

シリコンはこちら側から流し込むので、原型周辺をナイフでくり抜き、ついでに流し込む穴も開けちゃいます。
原型をセットした方の型に離型剤を塗布した後、この顔表面型をセットして、輪ゴムでクランプして、シリコン流し込み↓

1:このヘッドの前に作った大人顔のヘッドもついでに型取り(向かって右が大人顔ヘッド)。
2:顔表面型が硬化したら後頭部側の型を剥がして粘土を除去してくり抜き。
ちなみに後頭部型は離型剤が残っているかもしれないので洗浄して、今度は顔表面型の方に離型剤を塗って以下同文な作業。

ヘッド前後の型ができたら今度はレジン化用の型となる、裏型を作ります↓

大人顔ヘッドはとりあえずソフビ用の型だけで終了させるので先ほどの工程で終わり(着色見本はまぁいいやって感じ。レジン化させる場合はその型を利用して再度原型を作れば良い)。
先ほど型取りした原型から眼球パーツを取り外し、前後を分けて双方の型にセットして(もちろん離型剤も塗布して)シリコンを流し込めば裏型のできあがりです↓

向かって右側にあるのが顔と後頭部それぞれの裏型。
ちなみに後頭部用裏型にはすでにレジンを流し込む湯口が入ってます(写真撮る前に彫ってしまった)。
んでその湯口を裏型に彫り込みます↓

なぜ裏型に彫ったのかというと、表型はソフビ原型用の型でもあるので、余計なバリを増やさないためです。
ちなみに後頭部型はこれで上手く抜けましたが、顔型は空気の流れを読み間違ったようで、何度か失敗したあげくにこの後改良してキレイに抜けるようになりました。

レジンを流し込んで硬化した後、型を開けた状態↓

顔型の右耳にある湯口が改良部分。
最初は頭頂部から流し込んで両耳から抜けるルートを作ったのですが、耳の高さから上になるおでこ周辺がどうしても埋まらず、耳の湯口の流入(排気)抵抗を減らしましたが変わらず。そこで片方の耳から流し込むように変更したら無事一発で流れ込みました。こういうのって流体力学とかが絡むんでしょうか。物理学の神秘を垣間見たひと時也。
ほぼ気泡無く抜けたレジンヘッド↓

「ほぼ」というのは、右の下まぶたの淵に0.1〜0.5mmくらいの気泡ができることがあるのでそう書きましたが、これは裏型に逃げを作れば解決できるかと推測。他は完璧!

早速、塗装見本を作ります↓

塗装方法は過去のフィギュアと同じような感じですが、まゆげは等身大ヘッドRSHの時に確立した水彩色鉛筆&うすめ液法(勝手に命名)を使用。ちなみにRSHで施した「霜降り塗装(これまた勝手に命名)」は実行せず。このサイズだとキモくなる気がしたので…。

というわけで新しい文鳥ヘッドの完成〜!…になるでしょうか。問題はオビツさんに持ち込んで採用してくれるかどうか…ていうかそんな勝手に持ち込めるもんなのか…?

↑とりあえず手持ちのウィッグの中で一番しっくりくるやつをかぶせたら、以前の文鳥ヘッドの作例と大して変わらないような気もなきにしもあらず…けっこう各部いじったんだけどなぁ〜。もっと思い切った造形すべきなのかな〜。
でもいろんなとこの歪みとか目袋のクリアランスとかは以前より改善されたかと思います。
とりあえずこれはこれで完成ということで、1/6ヘッドについては一旦完了!
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